1.概況
本日の日経平均は11円高の2万310円と小幅に続伸し連日で年初来高値を更新しました。TOPIXが小幅に上げた一方でJPX日経400と新興市場のマザーズ指数は下落しました。昨日の米国市場で主要3指数は揃って史上最高値を更新しましたが、日経平均は昨日400円近い大幅高だったことから本日は1円高と横ばいで寄り付きました。本日の日経平均は今夜に米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を控える中で様子見姿勢が広がり、昨日の終値を挟んでもみ合いとなりました。前場の日経平均は昨日の終値近辺での推移が続き1円未満の下げで前引けをむかえました。後場寄りにやや上げ幅を広げた日経平均ですがすぐに上げ幅を縮めるとその後も昨日の終値を挟んだ推移が続きました。結局日経平均は11円高と小幅高で取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆7747億円となりました。東証33業種はその他製品や鉱業、石油石炭製品など18業種が上昇した一方で医薬品や電気・ガス業、化学など15業種が下げています。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は高安まちまちとなりました。売買代金トップの任天堂(7974)は4.7%の大幅高となりました。このところ相次いで証券会社に目標株価を引き上げる動きが出ていることに加えて、今週末にかけて開催される東京ゲームショウでニンテンドースイッチ向けの新作ゲームソフトが発表されるのではとの期待もあるようです。売買代金2位に入ったソフトバンクグループ(9984)も3.7%の大幅高となりました。傘下の米スプリント(S)がTモバイルUS(TMUS)と経営統合を協議していると伝わり昨日大幅高となったことなどが材料になったようです。三菱UFJ(8306)、トヨタ自動車(7203)、ソニー(6758)、三井住友(8316)、リクルートホールディングス(6098)などはそれぞれ下げています。中でも外資系証券が投資判断を引き下げたソニーは1.2%安となりました。その他材料が出たところでは、3-8月期の営業利益が前年同期比9%減になったもようとの観測報道が出たしまむら(8227)は0.6%安と小幅に下げました。一方で2020年6月期の営業利益目標を従来の500億円から600億円にすると報じられたドンキホーテホールディングス(7532)は2.6%高としっかりでした。

【VIEW POINT: 明日への視点】
日本市場は昨日大幅高となったこと、また今夜にFOMCの結果発表を控えていることなどからほぼ横ばいとなりました。今夜のFOMCでは政策金利は維持される一方でFRBのバランスシート縮小開始が決定されるとみられます。FOMCメンバーの今後の経済予測である通称「ドットチャート」の変化次第で米金利やドル円などに大きな動きがある可能性があり注意が必要です。また、明日の昼頃には日銀の金融政策決定会合の結果が発表されます。こちらは金融政策の現状維持がコンセンサスとなっています。

(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)