NYダウ: 21753.31  ▼234.25 (9/5)
NASDAQ: 6375.57  ▼59.76 (9/5)

【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>

1.概況
休場明けの米国市場は北朝鮮リスクが嫌気され大幅反落となりました。75ドル安と下落して始まったダウ平均はその後も下げ幅を広げると昼過ぎに280ドル安近くまで売られました。その後やや持ち直したダウ平均ですが上値は重く結局234ドル安の21,753ドルと5日ぶりに反落して取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も59ポイント安の6,375ポイントとなり6日ぶりの反落となっています。

2.経済指標等
7月の米製造業受注は前月比3.3%減となり市場予想と一致しました。しかし、民間設備投資の先行指標となる資本財から国防関連と航空機を除いたコア資本財の受注は1.0%増となっています。

3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち8業種が下げました。そのなかでも金融が2%を超える下落となったほか、素材と電気通信サービス、資本財・サービス、情報技術も1%を上回る下げとなっています。一方でエネルギーと公益事業、生活必需品の3業種が上げています。

4.個別銘柄動向
航空機部品のロックウェル・コリンズ(COL)を300億ドルで買収すると発表したユナイテッド・テクノロジーズ(UTX)が巨額の買収費用の負担で自社株買いなどを休止すると伝わったことで5%を超える下落となり、ダウ平均構成銘柄で下落率トップとなりました。また、トラベラーズ(TRV)とゴールドマン・サックス(GS)、ダウ・デュポン(DWDP)も3%を上回る下げとなり、ユナイテッド・テクノロジーズとトラベラーズ、ゴールドマン・サックス、ダウ・デュポンの4銘柄でダウ平均を150ドル近く押し下げています。一方でハリケーン「ハービー」の被害を受けた店舗の大半の営業を再開したと発表したウォルマート・ストアーズ(WMT)が2%近く上げ、ダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなっています。ウォルト・ディズニー(DIS)も投資判断の引き上げを受けて小幅に上げています。ダウ平均構成銘柄以外では、業績見通しを下方修正したデルタ航空(DAL)が大幅安となっています。

5.為替・金利等
長期金利は地政学リスクの高まりを受けて安全資産の米国債が買われ0.10%低い2.06%となりました。ドル円ではさらに円高が進み108円台後半で推移しています。

【VIEW POINT: 今日の視点】
米国株安と円高を受けて本日の日本市場は軟調なスタートが予想されます。こうしたなか今週に入り2日間で既に300円余りも下落している日経平均が下げ渋り、200日移動平均線(昨日時点で19,380円)を引けで維持するような展開となるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)