1.概況
本日の日経平均は80円安の1万9353円と小幅に反落しました。TOPIXやJPX日経400も下落しましたが、新興市場のマザーズ指数は小幅に上げています。昨日の米国市場はトランプ米統領がメキシコ国境沿いの壁建設の予算を計上するため政府機関の閉鎖も辞さない姿勢を示したことを嫌気して下落しました。また、ドル円も108円台まで円高に振れたことを受け、日経平均は68円安の1万9366円と反落して寄り付きました。ただ、トランプ氏の発言は昨日の日本市場にある程度織り込まれていたこともあってか、日経平均は徐々に下げ幅を縮めると一時は6円安とほぼ横ばいとなる場面もありました。前場を25円安で終えた日経平均は、後場に入ると下げ幅をやや広げて結局1日の安値圏で取引を終えました。東証1部の売買代金は1兆7483億円と連日で2兆円割れとなっています。東証33業種は鉱業、非鉄金属、化学、石油石炭製品の4業種のみ上昇しました。残る29業種は下落し、中でも鉄鋼は3%近く、証券商品先物は2%近い大きな下げとなりました。
2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は売買代金トップの任天堂(7974)から12位の野村(8604)まで全て下げました。中でもトヨタ自動車(7203)、ソニー(6758)、NTT(9432)が1%台の下げとなったほか、JFE(5411)は4%超の大きな下げとなりました。トヨタ自動車が部品メーカーに支給する鋼材価格が上期に比べて下落する見込みと報じられたことから売られました。その他の鉄鋼株も売られて新日鉄住金(5401)が2.5%安、神戸製鋼所(5406)は5.4%安などとなっています。その他材料が出たところでは、日立建機(6305)が2%近く上昇しました。大手証券が投資判断を中立から買いに変更し、目標株価も引き上げたことが好感されました。
【VIEW POINT: 明日への視点】
買い材料に乏しいなか、日経平均は反落しました。市場の売買代金も非常に少なく、反発には市場はエネルギー不足で外部環境の改善待ちという印象です。本日から26日まで米国のジャクソンホールで経済シンポジウムが開催されます。過去にはバーナンキFRB議長が量的金融緩和第2弾を行う意思を示したことなどから、毎年注目度の高いイベントとなっています。今回はイエレンFRB議長とドラギECB総裁が講演を行う予定となっており、今後の金融政策に何らかの示唆が行われるか注目されます。
(マネックス証券 プロダクト部 益嶋 裕)