1.概況
本日の日経平均は216円高の1万9753円と大きく反発しました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて上昇しました。北朝鮮問題に関して米政府高官から外交による解決を目指すとの発言が相次ぎ、北朝鮮問題をめぐる懸念がやや後退したことから昨日の米国市場で主要指数は大きく上昇しました。またドル円も109円台後半まで円安に戻したことを受け日経平均は152円高と反発して寄り付きました。北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が「米国の行動や態度をしばらく見守る」と態度を軟化させたと伝わったことも追い風となり、日経平均は寄り付き後も上げ幅を広げました。10時半過ぎには上げ幅が290円に迫る場面もあった日経平均は前場を252円高で終えました。日経平均は後場に入っても高値圏での推移が続き、引けにかけてやや上げ幅を縮めたものの216円高と大きく反発して取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆2363億円となりました。東証33業種は鉱業と石油石炭製品を除く31業種が上昇しました。中でも海運業や化学、精密機器、銀行業などが高い上昇率となりました。
2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄はほとんどが上昇しました。売買代金トップの任天堂(7974)、三菱UFJ(8306)、トヨタ自動車(7203)、ソフトバンクグループ(9984)、三井住友(8316)、みずほ(8411)がいずれも1%台の上昇となりました。また、売買代金5位に入った富士フイルム(4901)は8%近い大幅高となりました。昨日発表した第1四半期の営業利益が前年同期比21%増と好調だったことが好感されました。材料が出たところでは焼肉店等をチェーン展開している物語コーポレーション(3097)が2%近く上昇して上場来高値を更新しました。大手証券が目標株価を従来の6,000円から7,000円に引き上げたことが好感されました。一方で医薬品開発のリニカル(2183)は12%超の大幅安となりました。第1四半期の営業利益が前年同期比30%近い営業減益となったことが嫌気されました。
【VIEW POINT: 明日への視点】
北朝鮮リスクが後退したとの見方から日経平均は大幅高となりました。今夜の米国市場では7月の米小売売上高が発表されます。北朝鮮を巡る問題が一時的とは言えやや落ち着いたとの見方から改めて米国景気動向に注目が集まる可能性がありそうです。
(マネックス証券 プロダクト部 益嶋 裕)