1.概況
本日の日本市場は一時110円を割り込んだ円高を嫌気して続落となりました。79円安の19,949円と20,000円の節目を下回って寄り付いた日経平均は95円安まで売られましたが、下げ幅を三桁に広げることなく下げ渋ると持ち直しその後は19,900円台後半で小安く推移しました。19,900円台で小動きとなり一日の値幅が50円と今年2番目の小ささとなった日経平均は結局76円安の19,952円で取引を終えています。こうしたなか新興市場は堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均がともに反発しています。

2.個別銘柄等
円高にも関わらず材料の出た自動車株には大きく上昇するものがみられました。トヨタ自動車(7203)と資本提携し、電気自動車の共同開発や米国での工場建設などを検討すると伝わったとマツダ(7261)が3%近く上げたほか、昨日の取引終了後に発表した第1四半期決算が大幅増益となったスズキ(7269)も8.7%高と急伸し上場来高値を更新しています。同じく第1四半期の好決算が好感され買われたのがテルモ(4543)と東京放送ホールディングス(9401)で、テルモは上期に営業減益を予想しながら第1四半期が1割近い増益となったことで、東京放送ホールディングスは2割を超す営業増益となったことで大幅高となっています。本日の取引時間中に決算を発表した銘柄では第1四半期の営業利益が二桁増益となった三越伊勢丹ホールディングス(3099)が後場に上昇に転じ3.6%高となっています。また、任天堂(7974)関連銘柄の一角に大幅高となるものがみられました。昨日の取引終了後に業績予想を上方修正したホシデン(6804)が8.6%高と急伸したうえ、一昨日に売上高の見通しを上方修正し昨日に大幅高となったメガチップス(6875)は本日も買いを集め4.9%高となっています。一方で第1四半期決算が大幅減益となったカルビー(2229)が11.0%安と急落したうえ、目標株価の引き下げを受けてアルプス電気(6770)も大幅安となっています。

【VIEW POINT: 明日への視点】
本日の日本市場は円高が重石となり続落となりました。こうしたなか今晩は日本時間の21時30分に7月の米雇用統計が発表されます。ドル円の反応が注目されますが、円高基調に変化がみられないと来週も日経平均は20,000円の節目や一目均衡表の雲の上限(本日時点で20,039円)を意識したレンジ内での展開が続きそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)