NYダウ: 21287.03 ▼167.58 (6/29)
NASDAQ: 6144.35 ▼90.06 (6/29)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場はハイテク株に利益確定の売りが出て大幅反落となりました。上昇して始まったダウ平均ですがすぐに下落に転じると下げ幅を広げ昼過ぎには260ドル安近くまで売られました。その後下げ幅を縮めたダウ平均ですが結局167ドル安の21,287ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も90ポイント安の6,144ポイントとなっています。
2.経済指標等
1-3月期の米実質国内総生産(GDP)確定値は年率換算で前期比1.4%増と改定値の1.2%増から上方修正され市場予想も上回りました。一方で先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比2千件増の24万4千件となり改善を見込んでいた市場予想を上回って悪化しました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち金融とエネルギーを除く9業種が下げました。そのなかでも情報技術が2%近い下落となったほか、生活必需品と素材、不動産も1%も超える下げとなっています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄中28銘柄が下げました。なかでもハイテク株に利益確定の売りが出たことでシスコシステムズ(CSCO)が2%安となり、ダウ平均構成銘柄で下落率トップとなっています。また、インテル(INTC)やマイクロソフト(MSFT)も2%近い下げとなったほか、アップル(AAPL)も1%を超える下落となっています。ダウ平均構成銘柄以外でもフェイスブック(FB)やアマゾン・ドット・コム(AMZN)、ネットフリックス(NFLX)、グーグルの持ち株会社アルファベット(GOOGL)などのハイテク株が下げています。一方で米連邦準備理事会(FRB)がストレステストの結果に基づき大手金融機関が提出した資本計画を承認したことを受けて増配や自社株買いを発表した金融株が買われ、JPモルガン・チェース(JPM)やバンク・オブ・アメリカ(BAC)、シティグループ(C)、ウェルズ・ファーゴ(WFC)などが上げています。ただ、資本計画が条件付きで承認されたキャピタルワン(COF)は下げています。
5.為替・金利等
長期金利は0.03%高い2.26%となりました。ドル円は112円台後半まで円安に振れる場面もありましたが、米国株安を受けてドルが売られ朝方は112円近辺で推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
本日の日本市場は米国株安を受けて大きく下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が引けで20,000円台を維持できるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)