1.概況
本日の日経平均は19円高の1万8355円と5日ぶりに反発しました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて上昇しました。中でもマザーズ指数は2%超の大幅上昇となりました。先週末の米国市場は祝日のため休場でしたが、ドル円が108円台前半まで円高に振れたことを嫌気し、日経平均は95円安と続落して寄り付きました。日経平均は寄り付き後に110円安まで下げ幅を広げましたが、先週末まで4日続落し東証1部の騰落レシオが69%と一般的に売られ過ぎとされる水準まで低下していることもあって買いも入ったのか、下げ渋ると一時は20円安程度まで下げ幅を縮めました。その後再び下げ幅を広げる時間帯もありましたが、11時に発表された中国のGDPや小売売上高などの経済指標の一部が事前予想を上回ったことも好感され、結局前場を57円安と小幅安で終えました。後場に入るとまもなくプラスに転じた日経平均は、その後は先週末の終値を挟んだもみ合いといった格好となり、結局19円高と小幅に反発して取引を終えました。東証1部の売買代金は1兆6337億円と今年に入って最低となりました。東証33業種は電気・ガス業や不動産業、その他製品、食料品など内需関連業種を中心とした22業種が上昇しました。一方で輸送用機器が騰落率最下位となるなど外需関連業種を中心に11業種が下げています。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は下げた銘柄が目立ちましたが、売買代金トップの任天堂(7974)は3%近く上昇しました。3月に発売した新型ゲーム機「ニンテンドースイッチ」の販売好調が伝わったことが材料視されました。一方でソフトバンクグループ(9984)や三菱UFJ(8306)、トヨタ自動車(7203)などはいずれも下落しています。円高進行による業績悪化懸念を受けてか外需関連株が弱さを見せるなか、内需関連株に資金が集まりました。明治HD(2269)、カルビー(2229)、森永製菓(2201)、グリコ(2206)、日清食HD(2897)などの食品株がいずれも上昇しました。また、ニトリHD(9843)、イオン(8267)、ユニー・ファミマ(8028)、7&IHD(3382)などの大手小売も堅調でした。

【VIEW POINT: 明日への視点】
今週は引き続き為替動向をにらみながらの展開と見られるほか、北朝鮮問題の進展が注目されます。また、23日にはフランス大統領選の第1回投票が行われます。極右政党を率いてフランスのEU離脱を主張しているルペン氏が勝利すれば政治リスクが高まる可能性があるとして注目されています。

(マネックス証券 プロダクト部 益嶋 裕)