1.概況
本日の日経平均は195円安の1万8552円と大幅に続落し年初来安値を更新しました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて下落しました。昨日の米国市場で主要指数が下落したうえに、ドル円が109円台まで円高に振れたことを嫌気し、日経平均は155円安と続落して寄り付きました。日経平均は寄り付きの水準が1日の高値になるとその後は徐々に下げ幅を拡大しました。10時過ぎには下げ幅を290円近くまで広げる場面がありました。その後はやや下げ幅を縮め、日経平均は前場を231円安で終えました。後場に入ると前引けの水準を挟んだもみ合い推移となった日経平均ですが、大引けにかけてやや下げ幅を縮め結局195円安となっています。東証1部の売買代金は2兆2136億円と3日ぶりに2兆円の節目を上回りました。東証33業種は水産・農林業、陸運業、建設業の内需3業種のみが上昇しました。石油石炭製品、非鉄金属、証券商品先物など30業種が下落しました。
2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は概ね下落しました。昨日監査意見なく決算発表を行った東芝(6502)は1%安となりました。一時は5円高となる場面もあるなど引き続き荒っぽい値動きとなっています。その他、トヨタ自動車(7203)、三菱UFJ(8306)、ソフトバンクグループ(9984)、任天堂(7974)などがいずれも下落しました。また、地政学リスクが意識され引き続き防衛関連の一角が買われました。石川製作所(6208)や豊和工業(6203)がストップ高となったほか、NEC(6701)系の日本アビオニクス(6946)も21%超急騰しました。その他材料が出たところでは、本日の13時にローソン(2651)と事業統合契約を締結したと発表したスリーエフ(7544)がストップ高となっています。
【VIEW POINT: 明日への視点】
110円という節目として意識されやすい水準を割り込んで円高が進行したことが市場のセンチメントをさらに悪化させた面もあるのか、日経平均は大幅に続落しました。地政学リスクの高まりや円高進行といった弱気材料が多く目先は買い材料に乏しいなか、神経質な展開が続く可能性が高そうです。
(マネックス証券 プロダクト部 益嶋 裕)