1.概況
本日の日経平均は133円高の1万8797円と続伸しました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数など主要指数は概ね上昇しました。先週末の米国市場は方向感に欠ける展開となり主要指数は小幅安となりましたが、ドル円が111円台前半まで円安に振れたことを好感し日経平均は135円高の1万8800円と続伸して寄り付きました。本日の日経平均は高値と安値の値幅が90円足らずとやや狭い値幅で推移しました。寄り付き後にやや上げ幅を広げると10時過ぎに上げ幅を190円近くまで広げましたが、各地で地政学リスクが高まっていることなども意識されてかそれ以上の上昇とはならずその後はやや上げ幅を縮めました。前場を122円高で終えた日経平均は後場に入ってもプラス圏でのもみ合いとなり、結局133円高と寄り付きと同水準での大引けとなりました。商いはやや低調で東証1部の売買代金は1兆9299億円と3月15日以来約1ヶ月ぶりに活況の目安とされる2兆円を下回りました。東証33業種は鉄鋼や銀行業など27業種が上昇しました。一方で水産・農林業や鉱業、食料品など6業種が下げています。
2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は概ね上昇しました。東芝(6502)が6.3%の大幅高となったほか、任天堂(7974)、三菱UFJ(8306)、ソフトバンクグループ(9984)、トヨタ自動車(7203)、SUBARU(7270)などがいずれも上昇しています。材料が出たところでは、ペプチドリーム(4587)がストップ高となりました。米企業と創薬共同研究開発契約を締結すると発表したことが材料視されました。また、アパレル大手のオンワードホールディングス(8016)が9%超の大幅高となりました。平成29年2月期の営業利益が前期比11%超の増益で着地したこと、今期の営業利益予想も35.6%増益としたこと、自社株買いを発表したことなどが好感されたようです。一方で今期の業績予想を大きく下方修正した家具店やホームセンターを展開する島忠(8184)は4%近く下落しています。
【VIEW POINT: 明日への視点】
今週の日経平均は続伸でスタートしました。シリアや北朝鮮問題の進展、また13日の中国の貿易収支の発表、14日の米小売売上高といった経済指標などが注目材料となりそうです。また、ABCマート(2670)、ローソン(2651)、イオン(8267)、松屋(8237)など小売大手各社の決算発表も行われ注目されます。さらに明日は東芝が再延期した決算報告書の提出期限日で、提出できるかどうかも注目されます。
(マネックス証券 プロダクト部 益嶋 裕)