NYダウ: 20648.15  ▼41.09 (4/5)
NASDAQ: 5864.48  ▼34.13 (4/5)

【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>

1.概況
米国市場はFOMC議事要旨を受けて反落となりました。良好な雇用関連の経済指標を受けて一時は200ドル高近くまで買われたダウ平均ですが、米FOMC議事要旨を受けて金利が低下し金融株に売りがかさむと取引終盤に上げ幅を急速に縮め引けにかけてマイナスに転じました。結局ダウ平均は41ドル安の20,648ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も34ポイント安の5,864ポイントとなっています。

2.経済指標等
3月のADP全米雇用リポートで民間部門雇用者数は26万3000人増となり市場予想を大きく上回りました。一方で3月の米ISM非製造業景況感指数は55.2と前月から低下し市場予想も下回っています。米連邦準備制度理事会(FRB)が公表した3月開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、大半のメンバーが経済が想定通りに推移すれば年内後半にバランスシートの縮小に着手すべきと考えていたことが分かりました。

3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち金融や電気通信サービス、エネルギーなど9業種が下げました。一方で公益事業と不動産が上げています。

4.個別銘柄動向
米長期金利の低下を受けてJPモルガン・チェース(JPM)が1%を超える下落となり、ダウ平均構成銘柄で下落率トップとなりました。ゴールドマン・サックス(GS)も軟調となっています。決算で売上高が市場予想を下回ったドラッグストアのウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)も売られました。一方でアマゾン・ドット・コム(AMZN)への技術とサービスの提供で合意したと発表した燃料電池のプラグパワー(PLUG)が急騰したほか、欧州の投資ファンドに約75億ドルで身売りすると発表した外食のパネラ・ブレッド(PNRA)も急伸しています。決算で売上高や1株利益が市場予想を上回った種子・農業製品のモンサント(MON)も小幅に上げています。

5.為替・金利等
長期金利は0.03%低い2.33%となりました。ドル円は110円台前半で推移しています。

【VIEW POINT: 今日の視点】
本日の日本市場は米国株安を受けて軟調なスタートが予想されます。こうしたなか本日も日経平均が1月24日に付けた年初来安値(18,787円)近辺で底堅さをみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)