1.概況
本日の日経平均は106円高の1万9148円と反発しました。TOPIXやJPX日経400も上昇しましたが新興市場のマザーズ指数は小幅に下げています。トランプ大統領の政策をめぐる不透明感が強まるなか昨日ダウ平均は100ドル超下落しました。また、トランプ大統領が「日本や中国は何年も通貨安誘導を行っている」という趣旨の発言をしたことで、ドル円は一時112円台前半まで円高が進みました。こうした悪材料を受け日経平均は114円安の1万8926円と1万9000円の節目を割り込んで寄り付きました。ただ日経平均は寄り付き直後に1日の安値をつけると徐々に下げ幅を縮め、10時前に一時プラスに転じました。その後は前日の終値を挟んだ値動きとなり、60銭安とほぼ横ばいで前引けをむかえました。後場寄りからプラスに転じた日経平均は、その後は1度もマイナスに転じない堅調な展開となり一時は120円高近くまで上げ幅を広げました。引けにかけても日経平均は堅調に推移し1日の高値圏で大引けをむかえました。東証1部の売買代金は2兆5281億円となりました。東証33業種は鉄鋼や電気・ガス業など28業種が上昇しました。一方でその他製品や銀行業など5業種が下げています。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は上げ下げまちまちとなりました。売買代金トップに入った任天堂(7974)は2.1%安となりました。昨日の大引け後に決算発表を行い、今期の営業利益予想を従来の300億円から200億円に引き下げたことが嫌気されました。一方で売買代金3位に入った三菱自動車(7211)は12%超の大幅高となりました。今期の営業利益予想を従来の276億円の赤字から10億円の黒字に大幅に上方修正したことが好感されました。ソフトバンクグループ(9984)やブイ・テクノロジー(7717)もしっかりでした。一方でメガバンク3行やトヨタ自動車(7203)、ディー・エヌ・エー(2432)は軟調でした。中でもディー・エヌ・エーは6.5%の大幅安となりました。任天堂の社長が「スマートフォン向けゲームの開発に関して、将来的にディー・エヌ・エー以外のパートナーからのサポートも否定しているわけではない」と発言したと伝わり、今後の協業体制への不安が高まりました。材料が出たところでは、衣料品のネット通販「ZOZOTOWN」を運営するスタートトゥデイ(3092)は18%近い大幅高で昨年来高値を更新しました。10-12月期の決算が市場予想を上回る好内容だったことが好感されました。

【VIEW POINT: 明日への視点】
下落して始まった日経平均ですが、結局反発して終わるなど底堅さを示しました。日本企業の業績好転への期待は高いようです。今夜の米国市場ではISM製造業景況感指数やADP雇用統計といった重要経済指標が発表されるほか、連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表が行われます。今回の会合では利上げは見送られる見込みですが、今後の利上げペースについて声明文でどのような示唆が行われるか注目されます。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)