NYダウ： 19732.40 ▼72.32 （1/19）
NASDAQ： 5540.08 ▼15.57 （1/19）
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は米大統領就任式を控え様子見となるなか下落しました。小幅に上昇してスタートしたダウ平均ですが、直ぐにマイナスに転じると軟調な展開が続き午後には120ドル以上下げる場面もありました。引けにかけて下げ幅を縮めたダウ平均ですが結局72ドル安の19,732ドルと5日続落で取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も15ポイント安の5,540ポイントと反落しています。
2.経済指標等
2016年12月の米住宅着工件数は年率換算で前月比11.3％増の122万6000戸となり市場予想を上回りました。また、1月の米フィラデルフィア連銀製造業景気指数も23.6と前月から上昇し市場予想を上回っています。さらに先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比1万5千件減の23万4千件と2週ぶりに減少し市場予想を下回って改善しました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち不動産や公益事業、エネルギーなど9業種が下げ、不動産は1％近く下落しました。一方で資本財・サービスと電気通信サービスの2業種が上げています。
4.個別銘柄動向
ネバダ州が蓄電池工場への追加投資と新規雇用の見通しを公表した電気自動車メーカーのテスラ・モーターズ（TSLA）が投資判断の引き上げもあって上げています。また、物言う株主が経営に介入するとの思惑が浮上した鉄道大手のCSX（CSX）が急伸したほか、利用者の伸びが過去最高となった動画配信大手のネットフリックス（NFLX）が大幅高となっています。一方で投資判断と目標株価の引き下げを受けてエクソンモービル（XOM）が売られ、ダウ平均構成銘柄で下落率トップとなっています。サプリメントのGNC（GNC）も投資判断の引き下げを嫌気して急落しています。
5.為替・金利等
長期金利は0.04％高い2.47％となりました。ドル円はトランプ次期米政権の財務長官に指名されているスティーブン・ムニューチン氏が承認公聴会で長期的にドル高を維持することが重要となるとの考えを示したことで115円台後半まで円安が進む場面もありましたが、朝方は115円近辺での推移となっています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
米国市場が下落となる一方で、ドル円がやや円安となるなど強弱材料が入り混じる格好となっていることから本日の日本市場は小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか米大統領就任式を今晩に控え様子見ムードの強い一日となりそうですが、取引時間中の11時には10-12月期の中国GDPが発表される予定で注目されます。
（マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之）
