NYダウ: 19826.77 ▼58.96 (1/17)
NASDAQ: 5538.73 ▼35.39 (1/17)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は相場上昇をけん引してきた金融株に売りが出て下落しました。下げて始まったダウ平均はしばらくして前日終値近辺まで持ち直す場面もありましたが、上値が重く戻し切れないとその後も軟調な展開が続きました。取引終盤で110ドル安まで売られたダウ平均は引けにかけて下げ幅を縮めたものの、結局58ドル安の19,826ドルと3日続落で取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も35ポイント安の5,538ポイントと反落となっています。
2.経済指標等
1月の米ニューヨーク連銀製造業景気指数は6.5と前月から低下し市場予想を下回りました
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち金融や資本財・サービス、ヘルスケアなど5業種が下げ、金融は2%を超える下落となりました。一方で6業種が上げ、生活必需品と公益事業が1%以上上昇しました。
4.個別銘柄動向
JPモルガン・チェース(JPM)とゴールドマン・サックス(GS)が3%を超える下げとなり、この2銘柄でダウ平均を80ドル近く押し下げました。また、決算が大幅増益で市場予想を上回ったモルガン・スタンレー(MS)も3%以上の下落となっています。そのほか年末商戦の売り上げが想定していたより少なかったと発表したティファニー(TIF)も下げています。一方で年内に米国内で約1万人を追加雇用する計画を発表したウォルマート・ストアーズ(WMT)が2%近く上げ、ダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなりました。英ブリティッシュ・アメリカン・タバコとの経営統合で合意したと発表したたばこ大手のレイノルズ・アメリカン(RAI)も大幅高となっています。
5.為替・金利等
長期金利は0.07%低い2.32%となりました。ドル円はトランプ次期米大統領が米紙とのインタビューでドル高への警戒感を示したことが伝わり円高が進みました。朝方は112円台後半で推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
米国株安と円高を受けて本日の日本市場は下落してのスタートが予想されます。一段の円高となっていることから本日もドル円に神経質な展開となりそうですが、今週に入って2日間で500円近く下げている日経平均が下げ渋るかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)