1.概況
本日の日本市場は114円台の円高を嫌気して反落となりました。64円安の19,300円と小幅に下げて寄り付いた日経平均は円高を警戒した売りが出て下げ幅を広げ取引開始30分余りで270円安近くまで下落しました。しかし、朝方の売りが一巡するなか19,100円を割り込んだところで下げ渋るとやや値を戻し171円安で前場の取引を終えています。前引けからやや値を下げ188円安で寄り付いた後場の日経平均は円高が一段と進んだことから再び下げ幅を広げ前場の安値を下回って13時過ぎに300円近くまで売られました。その後円高一服もあって一旦持ち直す場面もみられたものの、19,200円を前に上値を押さえられると結局229円安の19,134円で取引を終えています。そしてこの結果、日経平均は大発会の480円近い上げをほぼ吐き出す格好となりました。また、新興市場では東証マザーズ指数が続落、日経ジャスダック平均が7日ぶりの反落となっています。

2.個別銘柄等
トランプ次期米大統領が昨日の会見で薬価が高すぎるとして新たな価格決定の仕組みが必要との考えを示したことから米国市場で薬品株が売られた流れを受けて日本市場でも大手薬品株が下げました。武田薬品工業(4502)が2.6%安、アステラス製薬(4503)が4.2%安、塩野義製薬(4507)が3.7%安、第一三共(4568)が1.2%安となっています。そのほかユニー・ファミリーマートホールディングス(8028)は国内大手証券の投資判断と目標株価の引き下げを嫌気して大幅安となり、東証1部市場で下落率5位となっています。一方で二桁の営業増益から前期に続いて2017年11月期も最高益を更新する見通しを発表したキューピー(2809)や、コンセンサス予想を大きく上回る大幅営業増益の2017年11月期予想を発表した不二越(6474)が大幅高となりました。また、明日に新型ゲーム機「ニンテンドースイッチ」の発表会を控える任天堂(7974)は小幅に上げ、売買代金トップとなっています。

【VIEW POINT: 明日への視点】
本日はトランプ次期米大統領の会見を受けて114円台まで進んだ円高を嫌気して日経平均は大幅下落となりました。その結果、日経平均は12月下旬の調整局面でサポートとなった25日移動平均線を本日割り込みました。5日移動平均線を割り込んだ10日の三桁の下げも115円台まで進んだ円高が要因だったことから、当面はドル円の動向に神経質な展開が続きそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)