NYダウ: 19883.06  △39.65 (12/19)
NASDAQ: 5457.44  △20.28 (12/19)

【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>

1.概況
米国市場は年末に向けての先高期待を背景に小幅に反発しました。一時70ドル高余りまで買われ13日に付けた史上最高値を上回る場面もあったダウ平均ですが、利益確定の売りが出ると昼ごろには一旦前日終値近辺まで弱含む場面もありました。しかし、マイナスに転じることなく底堅さをみせたことで切り返し再び60ドル高余りまで上昇しました。引けにかけてやや上げ幅を縮めたダウ平均ですが結局39ドル高の19,883ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も20ポイント高の5,457ポイントとなっています。

2.経済指標等
主要な経済指標の発表はありませんでした。

3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち8業種が上げ、電気通信サービスが1%を超える上昇となったほか、不動産も1%近く上げています。一方でヘルスケアとエネルギー、素材の3業種が下げています。

4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄では投資判断の引き上げを受けてユナイテッド・テクノロジーズ(UTX)が2%を超える上昇となり、マイクロソフト(MSFT)と並んで上昇率トップとなりました。また、スター・ウォーズの新シリーズの観客動員が好調と伝わり、大手証券が強気の見方を示したウォルト・ディズニー(DIS)も堅調となっています。一方で投資判断の引き下げを嫌気してメルク(MRK)が2%安となっています。ダウ平均構成銘柄以外では、ブラジルの資源大手ヴァーレから肥料部門を買収することで合意した肥料のモザイク(MOS)が財務悪化懸念から大幅安となっています。決算で1株利益が市場予想を上回った住宅建設のレナー(LEN)は買いが先行したものの、買いが続かず小幅に下げています。

5.為替・金利等
長期金利は0.05%低い2.54%となりました。ドル円はトルコのアンカラでロシアの駐トルコ大使が撃たれ死亡したと伝わったことで地政学リスクが意識され円高に振れ116円台を付ける場面もありました。朝方は117円台前半で推移しています。

【VIEW POINT: 今日の視点】
米国株が反発となる一方で、ドル円が円高に振れるなど強弱入り混じる格好となっていることから本日の日本市場は小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか本日は昼ごろに日銀の金融政策決定会合の結果が発表されます。マーケットに追加緩和への期待はほとんどないとみられることから、現状維持となってもマーケットの反応は限定的となりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)