1.概況
本日の日経平均は20円高の1万9273円と小幅に続伸しました。TOPIXやJPX日経400も上昇した一方で新興市場のマザーズ指数は小幅安となりました。昨日開催された連邦公開市場委員会(FOMC)で1年ぶりの利上げが決定されるとともに、FOMCメンバーたちの来年の利上げ回数予想が従来の2回から3回に引き上げられました。これらの決定を受けダウ平均は118ドル安と反落した一方でドル円は117円台まで円安が進みました。日経平均は円安進行を好感する格好で74円高の1万9327円と続伸して寄り付きました。ドル円が一時117円80銭台まで円安に振れたこともあり日経平均は寄り付き後に一時180円あまりまで上げ幅を広げて1日の高値をつけました。ただ、昨日まで7日続伸し連日で年初来高値を更新していることへの警戒感もあってか日経平均は上げ幅を縮めると11時過ぎにマイナスに転じ、結局前場を28円安で引けました。日経平均は後場に入ってもしばらくはマイナス圏を中心とした値動きとなりましたが、13時過ぎから再びプラスに転じると一時は上げ幅を120円近くまで伸ばしました。ただ、引けにかけて再び弱含んだ日経平均は結局小幅高で取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆8103億円と高水準の商いとなりました。東証33業種は海運業や輸送用機器など21業種が上昇しました。一方で鉱業や石油石炭製品など12業種が下げました。

2.個別銘柄等
円安進行が好感されてトヨタ自動車(7203)が東証1部の売買代金トップの商いを集めて2%近く上昇しました。三菱UFJ(8306)や空売り推奨レポートを受け連日下げていたSMC(6273)も上昇しましたが、任天堂(7974)、ソフトバンクグループ(9984)、みずほ(8411)、三井住友(8316)は下落と売買代金上位銘柄は上げ下げまちまちでした。材料が出たところでは、投資用不動産ポータルサイトを運営するファーストロジック(6037)は昨日発表した8-10月期の営業利益が前年同期比93%増と好調だったことを受けストップ高まで買われています。また、オフィス用品販売のアスクル(2678)は大手証券が目標株価を引き上げたことが好感され5%近く上昇しました。

【VIEW POINT: 明日への視点】
大幅な円安進行を受け日経平均は8日続伸して年初来高値を更新しました。東証1部の騰落レシオは165%強、日経平均の25日移動平均乖離率は5%強と、いずれも一般的に過熱感のある水準まで上昇しています。どこが天井となるかは誰にもわかりませんが、これらの指標からするといったんは調整に気をつけておくべき水準ではないかと考えられます。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)