NYダウ: 19796.43  △39.58 (12/12)
NASDAQ: 5412.54  ▼31.96 (12/12)

【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>

1.概況
米国市場は小幅に高安まちまちとなりました。OPEC加盟国と非加盟国が15年ぶりの協調減産で合意したことを好感した原油価格の上昇を受けてダウ平均は6営業日連続での史上最高値更新となったものの、S&P500株価指数とナスダック総合株価指数は利益確定の売りに押され7日ぶりに反落となりました。取引開始後まもなくして70ドル高近くまで買われたダウ平均はその後利益確定の売りが出て上げ幅を縮めましたが、前日終値近辺で底堅さをみせると午後は小幅高で堅調に推移しました。結局ダウ平均は39ドル高の19,796ドルと6日続伸となっています。一方でS&P500株価指数は2ポイント安の2,256ポイントとなったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も31ポイント安の5,412ポイントとなりました。

2.経済指標等
11月の米財政収支は1370億ドルの赤字となり市場予想を上回る赤字となりました。

3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち6業種が上げました。そのなかでも電気通信サービスと公益事業が1%を超える上昇となったほか、不動産も1%近く上げています。一方で金融や一般消費財・サービスなど5業種が下げました。

4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄では原油高を受けてエクソンモービル(XOM)が2%を超える上昇となり、シェブロン(CVX)も堅調でした。そのほか増配を発表したファイザー(PFE)や、ジョンソン&ジョンソン(JNJ)とウォルマート・ストアーズ(WMT)も2%を上回る上昇となっています。一方で金融株に利益確定の売りが出てゴールドマン・サックス(GS)が2%近く下げたほか、JPモルガン・チェース(JPM)も1%近く下げています。ダウ平均構成銘柄以外ではトランプ次期米大統領が購入予定の同社のステルス戦闘機「F35」ついてコスト削減を求める意向を示したことでロッキード・マーチン(LMT)が売られ、最高経営責任者(CEO)と最高財務責任者(CFO)が退任した希少病の治療薬の開発・販売を手掛けるバイオ製薬のアレクシオン・ファーマシューティカルズ(ALXN)が急落しています。大株主がCBS(CBS)との経営統合を取りやめるよう要請したことでメディア大手のバイアコム(VIA)も大幅安となっています。

5.為替・金利等
長期金利は0.01%高い2.47%となりました。一時2.5%を上回る場面もありました。ドル円は欧州時間に116円台を付ける場面もありましたが、朝方は114円台後半で推移しています。

【VIEW POINT: 今日の視点】
米国市場が高安まちまちとなり、ドル円も円高となるなか本日の日本市場は反落でのスタートが予想されます。日経平均の25日移動平均線とのかい離が6%余りとなり、東証1部の騰落レシオも151%となるなど短期的な過熱感が意識され利益確定の売りが出やすいなかで日経平均が底堅さをみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)