1.概況
本日の日経平均は230円高の1万8996円と大幅に4日続伸し年初来高値を更新しました。日経平均は昨年の大納会以来一時1万9000円の節目を回復する場面がありました。TOPIXやJPX日経400も続伸し、新興市場のマザーズ指数も上昇して7日ぶりに反発しました。昨日の米国市場でダウ平均が続伸し史上最高値を更新、ドル円も114円台まで円安に振れたことを受け日経平均は74円高と続伸して寄り付きました。ドル円がじりじりと円安に振れたこともあり日経平均は寄り付き後も上げ幅を広げると、前場を208円高とその時点の高値圏で終えました。日経平均は後場に入っても堅調に推移すると一時1万9000円の節目を上回りました。さらに14時半過ぎに一段高となり、277円高の1万9042円と本日の高値をつけて昨年末の終値1万9033円を上回る場面がありました。日経平均は引けにかけてやや上げ幅を縮めて1万9000円をわずかに割り込んだものの、連日で年初来高値を更新して取引を終えています。東証1部の売買代金はSQに伴う商いが膨らんだとみられることもあり、3兆9249億円と4兆円近い大商いとなりました。東証33業種は機械と電気ガス業を除く31業種が上昇、中でも鉱業や石油石炭製品といった原油関連、また証券商品先物や海運業といった景気敏感セクターの上昇率が大きくなりました。

2.個別銘柄等
トランプ氏と孫正義社長の会談以来連日で大幅高となっていたソフトバンクグループ(9984)は本日も東証1部の売買代金トップの商いを集めて続伸したものの、上昇率は0.4%と小幅にとどまりました。その他の売買代金上位銘柄は東京電力ホールディングス(9501)を除いて概ね上昇しました。任天堂(7974)が3.6%の上昇となったほか、ファーストリテイリング(9983)も3.6%の上昇で日経平均を60円近く引き上げました。野村(8604)も5%近く上昇し、4日続伸して年初来高値を更新しています。一方昨日ストップ高となった東京電力ホールディングスは、一時5%超上昇したものの終値では3%安と非常に荒っぽい値動きとなりました。

【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均は大幅に続伸して年初来高値を更新、一時は昨年末の終値を上回りました。市場は非常に楽観的なムードとなっています。いつ調整がくるかは誰にもわからないものの、東証1部の騰落レシオが142%とやや過熱感がある点や、円安の進行で企業業績の上方修正期待があるとはいえ日経平均の予想PERが16倍台の半ば近くまで上昇している点などはやや気がかりです。来週は13日から14日にかけて行われる連邦公開市場委員会(FOMC)が最大の注目材料です。1年ぶりの利上げを実施する可能性が非常に高いとみられており、焦点は声明文と同時に公表される参加者たちの今後の金利などの見通しが前回の見通しからどの程度変化するかです。金利見通しが大幅に上方修正されることになれば、一段のドル高要因となる可能性があります。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)