1.概況

本日の日経平均は24円安の1万8356円と8営業日ぶりに反落しました。一方でTOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数は上昇と主要指数で下落したのは日経平均のみでした。TOPIXとJPX日経400はそれぞれ12日続伸しています。先週末の米国株式市場は短縮取引でしたが、ダウ平均やナスダック総合指数などの主要指数は史上最高値を更新しました。一方、先週末に113円台で推移していたドル円が112円台まで円高に振れたことを受け、日経平均は78円安と反落して寄り付きました。日経平均は寄り付き後にやや下げ幅を縮めましたが、ドル円が一時111円台まで円高に振れたことを受け日経平均は下げ幅を広げると前場を146円安とその時点の安値圏で引けました。日経平均は後場に入るとドル円がやや値を戻したことを受け下げ幅を縮めました。引け間際に6円安まで下げ幅を縮めた日経平均は、結局24円安と小幅な反落で取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆3546億円と13営業日連続で2兆円を上回りました。東証33業種は電気・ガス業、銀行業、建設業など内需関連業種を中心に24業種が上昇しました。

2.個別銘柄等

東証1部の売買代金上位銘柄は高安まちまちでした。売買代金トップに入った三菱UFJ(8306)などメガバンク3行は揃って上昇しています。また売買代金5位に入った任天堂(7974)もしっかりでした。一方で足元の円安進行で上昇著しかった自動車株が利益確定売りに押されました。トヨタ自動車(7203)が小幅に下げたほか、富士重工業(7270)やスズキ(7269)、マツダ(7261)など自動車各社は総じて下げています。一方、原油価格の下落がコストダウンになる電力各社が堅調でした。中部電力(9502)が3%近く上げたほか、北陸電力(9505)、九州電力(9508)などその他の各社も軒並み上昇しています。材料が出たところでは、期末配当を前期から据え置くと発表したキヤノン(7751)は安心感から買われて1.7%高としっかりでした。

【VIEW POINT: 明日への視点】

日経平均は小幅に反落しましたが、その他の指数は軒並み上昇しTOPIXは12日続伸となりました。今週は30日のOPEC総会、および週末にかけて発表される米国の経済指標が材料になりそうです。12月1日にISM製造業景況指数、2日には雇用統計が発表されます。利上げにあたって最も重要な判断材料になるとみられる雇用統計は、追加利上げ実施が有力視されている12月の連邦公開市場委員会(FOMC)前最後の発表とあって、まずまず堅調な内容であれば12月の利上げ実施がより確実視されることになりそうです。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)