1.概況
本日の日経平均は138円高の1万8106円と4日続伸し、1月6日以来約10ヶ月半ぶりに終値で1万8000円の節目を回復しました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて上昇しました。先週末の米国株は小幅に下落しましたが、ドル高の勢いが止まらずドル円が111円台まで円安に振れたことを受け、日経平均は70円高の1万8038円で寄り付きました。日経平均は寄り付き後に1万8007円と節目を割り込みそうな水準まで上げ幅を縮める場面がありましたが、持ちこたえるとその後は上げ幅を広げる展開となりました。前場を87円高とその時点の高値圏で終えた日経平均は後場に入るとさらに上げ幅を広げ、14時半頃に161円高と1日の高値をつけると引けにかけてやや上げ幅を縮めましたがそのまま高値圏で取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆2867億円と2兆円の節目は上回ったもののトランプ氏が大統領選に勝利して以降最も少なくなりました。東証33業種は鉱業や保険業、不動産業など31業種が上昇しました。一方で非鉄金属と鉄鋼の2業種が下げています。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位の幅広い銘柄が上昇し、売買代金トップの三菱UFJ(8306)、三井住友(8316)、みずほ(8411)のメガバンク3行は揃って2%超上昇しました。また、売買代金2位の任天堂(7974)と7位のKDDI(9433)はそれぞれ3%以上上げています。材料が出たところでは、経営再建のスポンサーとしてスウェーデン企業が有力になったと報じられ先週末に大きく上昇したタカタ(7312)は本日も再建期待から買われストップ高となりました。また、ミスミグループ本社(9962)は先週末に発表した月次売上が前年比102.5%と堅調だったことが好感され1.4%高となり年初来高値を更新しました。

【VIEW POINT: 明日への視点】
1ドル111円台まで進んだ円安を好感し日経平均は4日続伸、終値で1万8000円の節目を回復しました。為替レートがここまで円安になると輸出関連企業を中心に業績の上振れが期待でき、それが株高の背景になっているとみられます。ただ、トランプ氏が大統領選に勝利することがわかった11月9日から日経平均は1,800円超、ドル円は約10円上昇しています。東証1部の騰落レシオも137%超と一般的に過熱感があるとされる水準まで上昇しており、さすがにスピード調整がきてもおかしくないと考えられます。買い一辺倒とはならず、利益確定売りへの備えが必要な局面だと考えています。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)