みなさんこんにちは。株式会社インベストラストの福永博之です。今週も窓についての解説です。それではまず先週後半から今週にかけての動きについて確認しておきたいと思います。

日経平均株価の日足チャートを見ると、5月21日に高値をつけたあと5月23日から5日移動平均線を下回って株価水準が切り下がる展開となりました。また1月23日の高値から3月26日の安値までの値幅の38.2%押しの水準を下回ると、25日移動平均線も下回ったことに加え半値押し水準まで下落して下ヒゲをつけているのが分かります。
さらこの半値押し水準ですが、4月19日の高値とかぶさる水準となっており、過去の高値が5月29日の下落の際のサポートになっているということがお分かりいただけるのではないでしょうか。
このように半値押し水準であり、且つ過去の高値水準で下げ止まっているところを見ますと、急激に株価水準が切り下がっているなかではありますが、下げ止まりと反発に対する期待が継続するかたちとなっているのではないかと思われます。
続いて前回の解説についても確認したいと思います。前回は「75日移動平均線の向きと売買高の増加」について指摘しましたが(詳しくは前回をご参照ください)、果たして75日移動平均線と売買高はどのように変化したのでしょうか。
まず移動平均線からです。75日移動平均線を見ると、先週の5月22日から下落が始まり5月29日には大きく水準を切り下げているにもかかわらず、5月29日の終値水準でわずかに上向きに変化しているのが分かります。
このように上向きに変化したのは75日前の株価と当日の株価が入れ替わるなかで、当日の株価が75日前の株価を上回っていることから起こる変化になります。また今後の株価推移を見ても、株価が半値押し水準を下回らずに維持するようですと、75日移動平均線の上向きが続くことと考えられ、反発への期待が継続することになるのではないかと思われます。
一方で、終値で半値押し水準を下回り、さらに株価水準が切り下がるようですと、75日移動平均線辺りまで下落が続いたり、再び75日移動平均線が下向きに変化したりすることも考えられ、窓埋めへの期待が後退することになると同時に、窓を埋めるまでさらに時間がかかることになるのではないかと思われます。
このように分析してみると、半値押し水準を維持することが今後の株価動向を予測する上で非常に重要な水準であるということがお分かりいただけるのではないかと思われますので、引き続きチェックを続けていきたいと思います。

コラム執筆:福永 博之 株式会社インベストラスト代表取締役
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