みなさんこんにちは。株式会社インベストラストの福永博之です。今週も引き続き窓についての解説です。
その前に前回のポイントについて振り返ってみたいと思います。前回は、「注意しておきたいのが、75日移動平均線の向きと売買高です」としました。
理由は、「株価が戻ることによって徐々に大きくなると考えられる戻り売り圧力を吸収する必要があるにもかかわらず、売買高は目立って増えていないことに加え、75日移動平均線の向きも下向きのままで推移している」からでした。
では、結果はどうなっているのでしょうか。いつものようにチャートで確認してみたいと思います。

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最初に確認するのは、75日移動平均線の向きです。75日移動平均線を見ますと、下向きが続いているのが分かります。また売買高はどうでしょうか。チャートの下段にある棒グラフですが、明らかに減少しています。
株価は水準を切り上げて5月21日には終値で23,000円台を回復しましたが、一気に窓を埋める動きになっていなのは、75日移動平均線が下向きのままで推移していることや売買高が減少するなど、中期のトレンドが下向きであることやエネルギー不足によるものではないかと考えられるのです。

そのため、75日移動平均線が上向きに変化したり、売買高が増加したりするまでは引き続き窓を埋めるまで時間がかかると考えた方がよいのではないかと思われます。
では、いつになると75日移動平均線は上向きに変化するのでしょうか。そこで今週チェックしておきたいポイントが、75日前の株価と当日の株価との比較です。5月22日終値現在の75日前の株価は1月31日の終値23,098円29銭となっていますが、移動平均線はその名の通り移動していきますので、5月22日現在の株価水準(22,960円)を維持すると、順次75日前の株価と当日の株価が入れ替わり、金曜日には75日移動平均線が上向きに変化することが考えられます。
また来週に入ると、さらに75日前の安い株価と当日の株価の入れ替わりが進むことになり、75日移動平均線の上昇が続くことも考えられそうです。
続いて売買高はどうでしょうか。業績発表が一巡したことから材料不足となっていますので、直ぐに増加するには外部環境頼みということになるかもしれません。
そこでこれらの状況から窓埋めの可能性について予測すると、仮に窓埋めに時間がかかった場合でも75日移動平均線の向きが上向きに変化した場合、すべての移動平均線が上向きに変化して上昇トレンドが継続していることになりますので、窓を埋める可能性が継続するということになると考えられます。
一方で、今週から来週のどこかで75日前の株価を下回るような下落が発生すると、75日移動平均線の下向きが継続することに加え、これまでの株価の戻りも止まってしまうことになりますので、注意が必要になるのではないか思われます。
窓を埋めるという簡単な現象を確認するだけでも、移動平均線の向きや売買高といったエネルギーが重要な判断材料になりますので、引き続きチェックしていきたいと思います。

コラム執筆:福永 博之 株式会社インベストラスト代表取締役
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