サンプラザ中野くんだー!

4月19日に宮城県石巻。20日に塩釜。24日に福島県郡山と須賀川。25日に新地町。に行ってきた。

俺とギター奏者オオゼキタク・ウチノファンタジー両名の計三人で出かけている。石巻では一皇子神社の社務所で演奏した。石巻の港から2キロほどの平地にある。水は1.7メートルほどの水位で押し寄せたとのこと。祠は傾いたものや完全に壊れてしまったものなど。在宅避難の方々の前で演奏。中には母子家庭のお母さんが津波で流されてしまったという小学生の女子も。現場の社務所も畳まで水に浸かったとのこと。損壊していない家でも修繕は良いが建て替えは禁止。つまり徐々に住民は移転を余儀なくされている。土地は沈下し、ところどころ道路が冠水。

私たちを案内してくれた方の外車はマフラーから水が入りエンジンストップ。たぶんお釈迦。潮が引くたびに地中の土砂が持っていかれる。なので沈下は果てしなく続くだろう。行政は道路だけは開いた。道はある。その両脇には瓦礫の山。自動車が腹を見せて転がっている。中学校のプールにも自家用車がはまっていた。津波の来なかった地域は道路一本の差という非常な現実も。

塩釜では公民館にてミニライブ。デビュー当時からのファンだという男性が俺がしゃべっていた深夜ラジオ番組を楽しんでいたと話す。ありがとう、と近寄ったら後ずさり。長く風呂に入っていないから、と。

郡山ではビッグパレットというコンベンションセンター。3000人を擁する避難所前で演奏。ライブ前に館内を回った。通路にダンボールで低い壁を立てて仕切り、寝具を敷いただけのスペース。被災一ヶ月以上も経っているのにだ。

途中、FM須賀川に出演。災害FMというカテゴリーのコミュニティFM。2ヶ月だけ免許が下りるとのこと。延長は必至だろう。建て直しが決まっている、つまり半壊のビジネスホテル内がスタジオ。歓待され大変ありがたかった。

移動して須賀川アリーナへ。ここもかなりの人数がダンボール間仕切り生活。通路に椅子とスピーカーを配置しミニライブ。小さな女の子が一番前で体を揺らして盛り上がってくれた。嬉しかった。すぐ近くの川の土手は満開の桜並木。

ビッグパレットも須賀川アリーナも原発近くからの被災者多し。新しい住処や職を遠くで得た場合、補償が下りるのかどうかが不安で避難所を出られない、という事情もあるとのこと。

石巻でも原発のせいで政府の力が復興に振り向けられていないようだ、との声。新地町は津波で何もかもさらわれた町。新地町小学校の体育館ステージで演奏。観客は自分の布団の上で観覧。ここでもダンボール間仕切り生活は続いていた。演奏後挨拶に回った。何も無いけどバナナを持って行きなさいと手渡される。泣ける。
5月1日は相馬市へ良く予定。

5月8日はチャリティライブ。12時から夕方まで代々木公園イベントスペースにて。収益金は温かい食事として被災地に届ける。大阪王将さんとのコラボ。おいしい餃子・ベジタリアン餃子を乗せてその日のうちに出発だ。俺は15日に合流予定。是非代々木に来てね。
http://311prayforjapan.net/

震災を受けて作曲した「TOMOSHIBI-地震が来たら-」は無料iPhoneアプリになった。
すでに世界49カ国でダウンロードされた。ぜひ聞いてください。
http://itunes.apple.com/jp/app/tomoshibi/id432045039?mt=8
http://www.mukaiyaclub.com/music/tomoshibi/tomoshibi.html

サンプラザ中野くん
数々の爆発的ヒット曲を生み出してきた「爆風スランプ」で活躍。自身のホームページでも意外な側面を見ることができる。
http://spnk.jimdo.com/

※当コラムは執筆者の個人的見解であり、当社の意見を表明するものではありません。