サンプラザ中野だー!

 それは一昨日、10日の夜のことだ。俺は四国の土佐、あの坂本竜馬を生んだ高知県にいた。今年で51回目を迎えた「よさこい祭り」を観に行ったのだ。それは仕事だった。NHK高知に呼ばれたのだ。よさこいのメインストリート「追手筋」に面した土佐女子校の屋上からの中継に参加して欲しい、という依頼だ。参加といっても踊るわけではない。ただ中継を見ながらおしゃべりをする、というものだ。俺はよさこいの事はほとんど知らなかった。知らなかったし、どちらかというと軽視していた。その理由はこうだ。

 よさこいという踊りがあるらしい。よさこい祭というらしい。祭とは言いながらも神様を祭っているわけではないらしい。ということは、新興住宅団地の自治会主宰の「盆踊り大会」と同じようなものらしい。ガソリンスタンドがよくやる「タイヤ祭り」と意味の上ではほぼ同じらしい。という風にだ。

 しかし、しかしだ。まさに見ると聞くとじゃ大違いだったのだ。歴史を紐解こう。そもそもは昭和29年から始まった。不況を吹き飛ばそうと地元の商工会が「祭」を企画したのだ。そして踊りを創作した。日本舞踊の五流派の師匠がみんなで作った。音楽も武政英策さんという方のオリジナルだ。そして750名の参加者(踊り手)から始まったのだ。

 それから50年。今年は総勢1万9千人が全国から集まった。179のチームに分かれて、その演技を競い合う。例年通り女優の広末さんも参加したということだ。映像を見ると一回目は街中に設けられた舞台の上で輪になって踊っている。しかし現在は市内に15箇所設けられた公道を競技場・演舞場としている。そこを練り歩くのである。踊り手は一方向に進んでいく。その競技場をゴールしたら、次の演舞場へと渡り歩いていくのである。1チームに付き100人前後の踊り手を先導するのは「地方車(じかたしゃ)」と呼ばれるスピーカー満載の大型トラックなのである。派手なデコレーションが施され、あおり手を乗せてゆっくりと前進する。大音響とともに。そのスピーカーから音楽を流すのだが、とにかく音がでかい。ロック歌手の俺が言うのだから、本当にでかい。まずその音量で踊り手は興奮状態に入る。そして照明。これも地方車後方につけられている。踊り手を煽るためだ。

 おっと、今回は長くなりそうだ。株式ロックンロール初の続き物にさせてもらう。では後半も乞うご期待。