業種別の株価指数の話が続きますが、業種別の中でも時価総額で、「電機」、「輸送用機器」に次ぐ3位の「情報通信」を取り上げて話を展開していきます。これは、4月11日の日経CNBC「夜エクスプレス」でお話しした内容ですが、より詳しくみていきたいと思います。
東証1部の中で「情報通信」に分類される銘柄は170程度あります。そのうち小型株のSmallに分類されるのが約83%です。その小型株のすべてを対象に、テクニカル面からグループ分けしてみました。
4月7日の週末時点として、Aグループは、「株価>13週線>26週線」の順位になっている銘柄で41銘柄あります。Bグループは、「13週線>株価>26週線」の順位になっている銘柄で34銘柄。Cグループは、「13週線>26週線>株価」の順位になっている銘柄で40銘柄。そして、Dグループは、「26週線>13週線>株価」の順位になっている銘柄で23銘柄ありました。Aグループが最も強く、DグループはAと逆のパターンで最も弱い動きになっているといえます。
3カ月後なのか、6カ月後なのか、によって変わるかもしれませんが、ここからパフォーマンスが最もよくなるのは、どのグループでしょうか?
各グループの時価総額上位10銘柄をご紹介しますと、図表1になります。時価総額上位10銘柄の単純平均をとり、昨年TOPIXが安値をつけた2月12日を起点に指数化したのが図表2です。
特徴的なのは、CとDは昨年トランプショック直前の高値の段階で、2月以降の高値を上回った点です。先に上昇した分、調整に入ったのも比較的早い。逆に、AとBは昨年後半、あまりいいところがなかった分、今年に入ってから強さに持続性が生まれました。
その結果、足元、それぞれの値動きが少しカイ離しているようにみえます。こうしたカイ離状況が当面続くことが予想されますが、では将来、4月7日を起点にどのグループがいちばんパフォーマンスがよくなるか、年内のどこかで検証してみたいと思います。
話をガラリと変えて、日経平均と「ボリンジャーバンド」についてです。ボリンジャーバンドは、米国のジョン・ボリンジャー氏が考案した世界的に有名なテクニカル指標で、株価の予測をするものです。「相場はある期間の平均値から大きく離れた水準には長くはとどまらない」と考えることを基本としています。相場の自律反発を狙う水準を判断するときや、時には上昇や下落トレンドの波に乗るタイミングを教えてくれることもあります。
実は、5月20日(土)、私が所属している非営利の団体・日本テクニカルアナリスト協会(NTAA)では「テクニカル分析について学びたい」という読者の方々のために、セミナーを福岡(博多)で開催いたします。講師はなんと、先述のジョン・ボリンジャー氏です(今秋は東京・大阪でも開催予定)。もちろん、日本語の通訳がつきます。
日経平均は昨年12月以降、ボリンジャーバンドの上限と下限の間でモミ合い相場が続いていましたが、現在は下限付近からなかなか反発できず、下落トレンドを形成しそうな雰囲気が強くなってきています。
さて、ボリンジャー氏が自ら開発した「武器」を使って日本株を分析すると、どのように映るのでしょうか?
ご興味のある方は、以下のNTAAのURLからお申し込みください。
http://www.ntaa.or.jp/mw_wp/jb-conference(外部サイトへ遷移します)
東野 幸利
株式会社DZHフィナンシャルリサーチ
「トレーダーズ・プレミアム」は、個人投資家の心強い味方です!! (DZHフィナンシャルリサーチのウェブサイトに遷移します。)