NY原油先物のチャートを図表に示しました。2013年以降の推移を終値ベースで遡ると、100日移動平均線(以下、100日線)が重要なフシになっているのがわかります。足元は100日線を上抜けている状況。100日線のトレンドが下落基調から横ばいに変化している点が強気の見方のポイントとなります。
2015年前半にも同じような場面があり、当時は原油価格の上方かい離がしばらく続いたあと、結局は100日線を割り込み底割れにつながりました。当時のように現在も底割れリスクは残っていますが、2013年高値からの調整期間がより長いことや、高値からの三段下げの相場リズムが一巡した(2015年前半までは二段下げだった)ことも、当時より底打ち感が強い理由として挙げられます。
今後、底打ちの確度を高める注目すべき動きは、 6月ぐらいにかけてどれだけ上値を伸ばせるかどうか。2013年以降でみると、6月終盤(赤い矢印)からトレンドが変わるパターンが続いているためです。直近安値(26.76ドル)からの上昇幅18.57ドルは、2015年高値を起点とした下落トレンドの中で発生した戻り幅11.61ドルや、2014年1月安値(91.54ドル)を起点とした戻り幅15.76ドルをすでに上回っています。あとは、2013年高値からの調整過程で最も大きい、2015年3月安値からの戻り幅18.74ドルを超えられるかどうかがポイントになります。あと僅かですね。超えることができれば、2013年高値からの下落トレンドが上昇に変化した判断材料のひとつになるということです。直近安値(26.76ドル)から18.74ドルを当てはめると45.5ドル。6月までに上回ると底打ち感が一層強まると思います。勢い余って、48ドル~49ドルの重要なフシなどもついでに上回ると、56ドル~57ドルまでは主要なフシはないようです。

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東野幸利
株式会社DZHフィナンシャルリサーチ

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