コマツ(6301)の日足のチャートをご覧ください(マネックス証券に口座をお持ちのお客様はログイン後の「投資情報」または「株式取引」メニュー等からチャートをご覧ください)。移動平均線やオシレータ指標などの小難しい指標はなしにして、ローソク足と出来高が掲載されているもので十分です。
ご覧頂きたいのは、2月12日に形成したローソク足。寄り付きからマドを空けて下放れて下落しましたが、取引時間中に下落幅を大幅に広げることなく終えた短い陰線です。翌日はマドを空けて逆に上放れて上昇し、2月12日の短い陰線が下に取り残されるような格好(離れ小島)となりました。
これは、酒田五法(「三兵」「三空」「三川」「三山」「三法」)でいうところの「三川明けの明星」です。「三川」とは、比較的長い陰線のあとに極線(十字足かまたは十字足に近い実体の短い陽線か陰線)を形成し、その翌日は上放れで始まり、比較的長い陽線で2本前の陰線とほぼ同じ位置まで突き返して引けたときに完成するものです。夜明け前に明るく輝く星にたとえて「明けの明星」と呼ばれ、相場の底入れサインとされています。三菱商事(8058)などもそうですね。
「明けの明星」に "当たらずといえども遠からず"というのがミネベア(6479)です。昨年の高値から「半値八掛け二割引」以下の安値水準から「三川」→「赤三兵」につながっており、同じ部類の発想が適用できるかもしれません。

コマツが底打ち?するということは、市場は何を織り込もうとしているのでしょうか。中国の建機需要や新興国向けの鉱山機械の需要が最悪期を脱するという理解でいいのでしょうか、・・・とはいっても、感覚的には在庫増や需要不足などを背景に資源関連株は敬遠され気味の印象は拭えません。
一方、ヒントになりそうなのが、原油価格の底打ち感です。また、中国株式市場でどういった業種が年初から物色されてきたのかを、上海総合指数を28業種に分け、昨年末から2月26日までの動きを業種別に比べてみました。驚きは最もパフォーマンスが良好だったのが、「採掘(石油関連)」業種だったことです。上海総合指数をアウトパフォームしている業種は7業種しかないのですが、「採掘」を筆頭に「非鉄金属」、「鉄鋼」が入っているのには驚きです。中国での過剰在庫の報道が毎日のように伝わってくるにもかかわらず、中国株式市場では資源関連株が先導して下げているわけではない。なので、上海総合指数が下げたからといって、空売り比率が高い日本の鉄鋼や海運、商社といった資源関連セクターをいまさら空売りしては危険です。空売りではなく逆向かいの買い場のような気がします。

商船三井(9104)の週足チャートの「陽線はらみ足」はどのように写るでしょうか。「陽線はらみ足」は一般的には買いサインになることが多いといわれます。確かに、海運株と連動性があるバルチック海運指数は2月10日に290の安値をつけたあと、3月1日まで13連騰を記録しました。バルチック海運指数は昨年8月5日に1,222の高値を付けたあとは調整が続いていますが、その調整過程のアヤ戻しでは7連騰がいいところ。7連騰当時は安値から幅にして100、率にして20%高。一方、足元の13連騰では幅にして42、率にして14.4%ですから、今回の戻りの方が連騰記録といえども規模は小幅。一目均衡表でも底値圏での連続陽線は小幅に出る方が底入れには望ましい、といわれるほどですから、バルチック海運指数の小幅な13連騰は底入れサインとしては要注目といえるでしょう。

東野幸利

株式会社DZHフィナンシャルリサーチ

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