米国では主力企業の7-9月期(第3四半期)の決算発表が始まりました。相場全体に影響を与えうるようなサプライズはありませんが、すでに発表を終えたジョンソン&ジョンソンの決算をみていると、ドル高はやはり厳しいようです。始まったばかりの決算発表ですが、予想以上に堅調な業績を材料に株高を望むのは少し無理があります。8月のような急落につながらなければよしとし、高値もみ合いを維持(さえない業績を織り込む)できれば御の字でしょう。
今週、米半導体大手インテルが第3四半期決算を発表した直後、時間外取引で株価は大きく下落しました。減収・減益ながらも、希薄化後の一株当たり利益が市場予想を上回りました。PC部門の不振や企業向けサーバー事業の伸びの鈍化が嫌気されたようですが、データ・センター事業は着実に伸びています。
図表は、1995年以降のナスダック総合指数と、ナスダック市場を代表するアップル、インテル、ネットフリックスの株価の推移です。これをみると明らかにインテルの株価は相対的に上昇していません。出遅れ感があって伸びしろがありそうな気がします。2000年のIT相場のときはナスダック総合指数の上昇相場をけん引しましたが、リーマンショック直後の底値から始まった大相場ではさっぱりでした。代わりに、アップル、アマゾン、オラクルなどが台頭し、グーグルやフェイスブックといった新興IT企業が登場しました。この先、ナスダック総合指数が高値を更新していく場合でも、続けて同じような銘柄群がけん引していくのでしょうか。
いや、逆転現象が起きると仮説をしたらどうでしょう。インテルやブロードコムはIT相場崩壊後の戻り高値をすべて上回りました。相場低迷期から回復期に移行する兆候かもしれません。シスコシステムズなども同じように伸びしろがある株価位置にとどまっています。逆転相場はさほど長く続かないかもしれませんが、そういった銘柄でないと、米株をここから買いで利益をとるのは難しいかもしれません。すぐに結果は出ないと思いますが、ここから米株投資で負けない秘訣ではないでしょうか。
東野幸利
株式会社DZHフィナンシャルリサーチ
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アナリスト田中の深堀り郵政IPO!『NTTドコモ越えなるか!? 超ド級のIPO迫る』など、全7回を連載中。
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