日経平均は9月29日の安値(16901円)から反発に転じ、5日には18000円台を回復しました。チャート上では、一般的に株価のフシとして意識されやすい25日移動平均線(17991円、7日現在)を上回る強気サインも確認できました。中国の景気減速や商品市況の下落などが主な要因となった8月の急落以降で初めてです。
一方、株価が25日線を上回ることも重要なのですが、25日線そのものの傾きの方がもっと重要なのです。現状は依然として下向きで、調整局面が続いていることを意味するのですが、このまま株価が大崩れしなければ上向きに変わるのは時間の問題です。
前回、日経平均が1000円動いた8月25日と9月9日は同じ価格帯であることを話題に挙げました。その価格帯とは17700円~18800円です。その乱気流ともいえる価格帯に入ればまた同じような現象が起きることに期待していましたが、やはり無かったですね。でも、価格帯の上限(18800円)を上抜けたらどうでしょう。乱気流を通り抜けた飛行機のように、相場は安定することになるような気がします。またまた楽観的なことを書いていますが、もちろん、投機筋による先物の買い戻しが主な要因だと思われます。
米国では主力企業の7-9月期(主に第3四半期)の決算発表が始まります。全体的には、ドル高や新興国の減速の影響で事前のアナリスト予想は控え目なので、予想を上回る決算が相次ぐと、年末ラリーも期待できるかもしれません。
図表は、S&P500が8月急落直後につけた8月25日安値を起点に指数化したグラフです。ダウ平均は9月16日の戻り高値(16739ドル)を更新しました。S&P500が9月16日の戻り高値(1995.31P)を超えられれば、主力大型株は面白い局面になりそうです。ラッセル2000、バイオテクノロジー指数などの小型株は戻り高値からの下げがきつかった分、戻る場面では劣勢を強いられる可能性が高い。株高・円安・石油高が一時的にも再来するとなれば、ダウ平均の底堅さ→予想を上回る決算を織り込んでいる?→加えて米素材関連株やエネルギ関連株の上昇の可能性あり→米国では大型株優位→上手くいけば日本株もついて行くことはできると思います。
東野幸利
株式会社DZHフィナンシャルリサーチ
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アナリスト田中の深堀り郵政IPO!『NTTドコモ越えなるか!? 超ド級のIPO迫る』など、全7回を連載中。
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