日経平均は現在、2007年高値18,300円を中心にもみ合いとなっています。8月28日高値(19,192円)と9月8日安値(17,415円)をたして、2で割ると18,303円になります。
過去のもみ合いの中値や主要な高値・安値は、このように将来のある相場局面で意識することが多いです。過去の値幅も将来のどこかで出現する可能性が高く、前回ご案内した日経平均の3,500円前後の値幅がそうです。
「5月に売って、どこかへ行け(Sell in May and Go Away)」、そして、「ハロウィンの頃に新たに買え」という投資格言が西洋にありますが、実はそのふたつの間には「セントレジャーズ・デー(9月第2土曜日)まで戻ってくるな」という格言もあります。
筆者の理解でいくと、相場は下げてもセントレジャーズ・デー前後まで、9月の1番底から少し持ち直し、11月にも弱い場面はあるにせよ、1番底を割り込むような下落には至らない。それを1番底に対して2番底と呼びます。
米国ではミューチュアルファンドの節税対策や決算対策の売りが9月~10月に出やすいアノマリー(理論では説明できない規則的な現象)があるように、年によっては、9月の下落局面は株の絶好の仕込み場のチャンスとみることもできます。行動ファイナンスでも、こうしたアノマリー効果が投資に有効なものとして扱われていますので、決して無視することはできません。
さて、明日(9/18)日本時間の早朝に米国でFOMC(連邦公開市場委員会)の結果が判明します。マーケットはどんな反応を示すでしょうか?
利上げで材料出尽くしとなり、株価は大幅高となるか。ただ、そのためには、イエレンFRB議長による発言内容が重要で、今後の利上げスピードが極めて緩やかになるだろうと、マーケットが認識できることが必要です。
一方、10月や12月に先送りとなれば、あまり動きはないような気がします。波乱を先延ばしですから、下げるかもしれませんね。
日経平均の上値のフシは2万円です。急落前のもみ合い相場の中値付近です。ここを上回れないと不安定な状況が続きそうです。上回れば年末に向けて上昇となる可能性大。10月後半まで上昇が続き、日本郵政の上場(11月4日)以降は少し下げる場面が想定され、12月末に向けて反発基調を強めるといったシナリオがあげられます。別に上記のアノマリーにあわせたわけではないですが・・・
ドル円の上値のフシは123.12円前後。ユーロ円の上値のフシは137.17円前後で、先日も137円を超えたところで頭打ちになる場面がありました。それらを上回れないと、日経平均同様に不安定な状況が続きそうです。
東野幸利
株式会社DZHフィナンシャルリサーチ
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