日経平均の8月28日高値(19,192円)は転換線(19,188円、8月28日)や7月9日安値(19,115円)などが意識された格好となりました。その後の調整は当たり前といえば当たり前の動きなのですが、少し押しの深さが気になります。再び、8月26日安値(17,714円)を割り込むと、6月24日高値(20,952円)と8月11日高値(20,946円)からなる天井形成後の単なる揺り戻しとなり、下振れリスクが一段と高まる公算が大きい。
ただ、今回、17,200円~17,400円処で下げ止まればセーフか。8月26日安値(17,714円)を割り込むと、8月と同じような勢いで下げるイメージを思い浮かべますが、すぐに1,000円幅レベルで下値を試す展開にはなりづらいと思っています。直前の急落で相当幅下げていますので、ダメ押しがある程度と思っていた方がいい。希望も込めてですが・・・
17,200円~17,400円はどこから出てきた数値かといいますと、少し難しい話ですが、8月28日高値(19,192円)と17,200円~17,400円を足して2で割ると、18,200円~18,300円になるからです。要するに2007年高値の水準です。重要な過去の節目は、将来の相場で意識しうることが多いからです。過去の高値や安値の節目近辺でまた高値や安値を付けるとか、過去の節目を中心にモミ合い相場になるとか。8月26日安値(17,714円)は確かに重要なのですが、17,200円~17,400円までの下げでとまれば、8月26日安値(17,714円)を割り込まないケースと今後の展開はあまり変わらないような気がします。日経平均を一目均衡表で見ることができる方は確認していただきたいのですが、今後モミ合いで値固めをし、明確に上か下かを見極める局面としては、結局、遅行スパンが株価に接近するタイミングのような気もします。
ベストシナリオですが、8月26日安値(17,714円)を割り込まずに、8月28日高値(19,192円)を上回れば、相当の買い戻し圧力が出ると思います。一目均衡表では雲の下限付近となる2万円、つまり急落前のモミ合い相場の中心まで戻せれば、その反動で下げたとしても7月9日安値(19,115円)付近が逆にサポートになり、早期の持ち直しにつながる可能性が高まります。
8月相場が終わりました。月足チャートからポイントを探りたいと思います。8月は、一般的にチャート分析で使われる12カ月移動平均線(8月18,580円→9月18,741円、9月2日現在)を一時割り込み、17,714円まで下げました。では、17,714円とどのパラメータを使った移動平均線が近かった(サポート機能を果たした)かといいますと、17カ月移動平均線(8月17,536円→9月17,759円、同)だったと思います。実はこの17カ月移動平均線は、2014年の後半の下落局面(図表の矢印)でサポート機能を果たした線です。もっと前にさかのぼると、2007年高値の前に付けた2006年高値から急落した(ライブドアショック)あとにサポートになった重要な節目(図表の矢印)だったのです。もうお気づきの方はいらっしゃると思いますが、当時と同じパターンであれば、次の上昇波動が見えてきますね。2007年と同じパターンで、ここから2016年に向けてゆっくり高値を更新していくパターンもありでしょう。
というのも、両方のケースでさらに共通するところは、①の17カ月間のもみ合い期間が同じ、②はだいたい同じ幅上昇、③はだいたい同じ幅の調整幅で止まっています(9月2日現在)。もう少し、マニアックにみますと、2006年高値からの急落幅③は3,518円、2015年高値からの急落幅③は3,238円です。その差は280円。8月安値(17,714円)から280円を引き算すると17,434円となり、17,400円処の重要性を感じます。しかも、③の下落幅は2013年5月高値からの下落幅(3,527円、④)とも同じです。過去に生じた値幅はチェックする価値ありですね。
東野幸利
株式会社DZHフィナンシャルリサーチ
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