次のマーケットの着眼点は? これまであまり動きがなかったところが材料になりやすいと思われますので、「ドル円相場」でしょうか。
図表の月足チャートをご覧ください。ドル円が120円前後で止まっている理由は、過去に生じた習性値幅分を上げ切ったからです。習性値幅とは、1998年8月高値からの最初の大きな下落幅45.92円分、1995年4月安値から1997年4月高値までの上昇幅46.38円分のこと。2011年10月安値から、その習性値幅分を上げると121.47~121.93円となるように、概ね現在の高値と一致しますね。さらには、1995年4月安値と2005年1月安値を通る上値抵抗ラインに頭を抑えられているのがわかります。だから、円安が一服すべき当然の水準であり、1997年4月高値から急速に円高が進んだ局面と同じく、足元も転換線(113.01)に向けて円高が進むリスクは高い、とみるべきなのか。それとも、ここまで粘っても下げないから、逆に強いとみて先高(円安)期待なのか。
いずれにしても、雲のネジレが6月に生じるため、「変化月」として基調が変わる可能性が高いです。転換線はすでに上昇に転じており、8月に向けてさらに上昇の勢いが増すタイミングに差し掛かる。円安が一段と進行するとすれば、さらに大きな習性値幅分(66.48円分)でみた142円前後まで視野が広がるかもしれません。円高ならば短期的には主要なフシがある110円台前半までの調整でしょう。
ただ、かつてのように円安→日本株高になるかどうかは不透明です。ドル高により米企業業績が一段と圧迫される可能性はありますし、日本株への海外資金の流入も止まってしまう可能性があるからです。
東野幸利
株式会社DZHフィナンシャルリサーチ
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