4月30日の日経平均は寄り付きからマドを開けて下落。その後も下げ幅を広げ、25日線(19700円程度)をあっさり割り込む展開になっています。振り返れば、祝日前のローソク足は分岐を示唆する「十字足」。3月23日高値(19778円)や4月10日高値(20006円)からの調整局面では、25日線を割り込んでも翌日はすぐに上昇し切り返しましたが、連休を前に今回も同様の動きがみられるでしょうか?

国内企業の決算もあまりパッとせず、材料的には「手詰まり」の状況。東京エレクトロンは統合破綻話で大幅に下げたほか、ファナックは配当性向60%の株主還元方針が好感されました。ただ、ファナックは買い物を集めはしたものの、終値ベースの中陰線は上値の限界に近いことを示唆する動きです。指数採用銘柄へ強いインパクトを与える材料は、指数反転時によくある事象です。主力株を含めても個別銘柄の動きがバラバラだし、これでもって日経平均の上昇を採用銘柄全体で支えられるかに違和感が残ります。

欧州株の下げが強烈でしたが、特に独DAX指数の下げがきつい。日経平均が高値を保っていたのは、どちらかというと米国株よりも欧州株頼みの感が強かっただけに、欧州の市場に乱れが出始めた点は警戒が必要です。また、欧州は中国と係わり合いが強いので、4400~4500Pのフシに到達して足踏みしている中国株(上海総合指数)の下落による日本株への影響も気がかりです。国内企業にとって原油価格の急反発などにも注意。きょうの日銀政策決定会合の結果に反応は薄く、これで完全に「手詰まり」です。
くどいですが、日経平均の「83カ月周期」でいくと、2008年6月の戻り高値から83カ月目がこの4月ですので、メジャーか、マイナーかは別にして、いったん高値をつけた可能性は高いです。

東野幸利

株式会社DZHフィナンシャルリサーチ

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