「掉尾の一振」が始まったのか?イエレンFRB(連邦準備制度理事会)議長の表明を受け、ダウ平均や日経平均は見事な戻りを演じている。筆者も過去にあまり経験したことがない勢いだ。10/31の日銀によるサプライズ緩和は、足元と同じように株価が直近高値に向けて急速に戻している最中だった。12月の金融政策決定会合では政策は現状維持で終わったが、仮に追加緩和が実施されていたとしたら、官製相場でしかありえない日足チャートになっていただろう。
今週の東京株式市場は原油価格の落ち着きやロシアルーブルなど新興国マーケットの混乱が和らいでおり、米国市場ともに買い安心感が強まる展開が予想される。年末に向けては特段と大きな材料はなく、値ごろ感のある銘柄や配当利回りなどバリエーション面で優位な銘柄への資金流入が見込まれる。

この時期になると毎年話題になるのは、大納会・大発会前後の株価の動きである。図表1は、過去の日経平均の12月~1月にかけての推移である。12月第一営業日の終値を100として指数化した。直近過去5年平均や10年平均でみると、1月前半に上昇モメンタムがピークをつける傾向があることがわかる。年初は運用の配分を決める海外投資家によって長期資金の買いが入る傾向があり、買いが一巡したあとは米国企業の第4四半期決算の発表によって材料出尽くしで下げるケースが多い。

今年の12月相場は序盤から大幅安を強いられた。大幅安の反動が加わる分、1月前半高値の経験則は倍返しを伴って当てはまる公算が大きい。材料が少ない今週の動きは本当の意味での実力相場である。新年入りと同時に調整局面に入った年初の相場が記憶に新しく、年末に向けてはポジション調整の売りが増加する可能性もあるだろう。クリスマス休暇で邪魔者が不在の中、上げ賛成の国内勢が上値の主導権を握っている。

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年内は最後の「相場一点喜怒哀楽」となりました。来年もよろしくお願い申し上げます。

東野幸利

株式会社DZHフィナンシャルリサーチ

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