中国本土市場は再び株式ブームに沸いています。上海総合指数は9日に乱高下し、終値ベースは5.4%(前日比)の下落となりましたが、利下げを好感して急上昇した反動と割り切れば当然の動きでしょう。一方、日本株の底堅さはベージュブック(米地区連銀経済報告)で示された米国景気の堅調や円安による国内企業の業績上振れ期待に加え、中国の景況感改善が国内企業にプラスに作用する思惑が追い風となっています。中国景気のバロメータとなる上海総合指数は11/20安値を起点に12/8高値まで約23%上昇し、同期間の日経平均3.7%、ダウ平均0.9%をぶっちぎる展開となりました。

ドル/円相場は2007年6月高値124.14円手前で円安一服。1998年8月高値147.66円~1999年11月安値101.25円までの値幅46.41円を、2011年10月安値75.35円からの上昇幅とみた121.76円処まで達成しましたので、少し警戒が必要かもしれません。
ただ、日本株にとってはラッキーかもしれません。円高への反転そのものがラッキーといっているのではなく、日本株に最も影響を与えうるファクターがドル/円から上海株、新興国通貨などに変わっていくムードを感じます。極論ですが、急速な円安の反動で短期的に円高局面が続いても、上海株が持ち直せば、あるいはFOMC(12/16-17)でマーケットの不安感が取り除くことができれば、日本株の年末高(掉尾の一振)はありえるかもしれません。そこでダメなら調整を経て、今度は2月~3月でしょう。

-以下は昨年の今頃、弊社アナリストが書いた記事の抜粋です-
「12月第2週の東京株式市場は、往ってこいの展開となった。米11月雇用統計が市場予想を上回る改善を受けて楽観ムードが醸成され、週初は大幅高となった。その後は手掛かり材料に乏しい中、日経平均は節目の15,500円を意識した動きとなった。FRBによる量的金融緩和の縮小開始時期が早まるという見方から、週後半にかけては米国市場の下落が重荷となり、メジャーSQ(12月)を迎えた13日は25日移動平均線を割り込む水準まで調整する場面があり、日経平均は週間ベースで約104円上昇、週足ベースでは2週連続の陰線を形成した。」

足元と少し似ているような気がしませんか? ちなみに、続く昨年12月第3週は日銀短観で先行き見通しに不透明感が強まったことが嫌気され大幅安から始まったのですが、翌日から大納会まで9連騰を演じました。

東野幸利

株式会社DZHフィナンシャルリサーチ

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