17日の日経平均は今年二番目の下げ幅を記録。25日線とのかい離率は14日時点で10.0%まで広がり、昨年6月にかけて急落する直前高値の水準まで過熱していました。同時に示現したローソク足の「首吊り線(売りサイン)」に酷似した動きは、GDPの結果に対するネガティブな反応を予期していたのかもしれません。
個別株・業種間での騰勢の格差が鮮明です。追加緩和直前からの業種別指数の上昇率をみると、証券、不動産、金融などの内需系が上位を占める順当な結果。円安加速で輸出関連株もいいけれど、同じスピードで自動車株の上値を追うのも怖い。
GDPショック一巡後は出遅れ業種という着眼点が必要で、日経平均をアンダーパフォームしている銀行や建設、情報通信など、やはり内需系の主力業種に注目ではないでしょうか。11月25日からJPX日経400先物の取引が始まります。連動するETFが新たに日銀の買い付け対象にもなったことで、採用銘柄には売買に厚みが増すことや下値を継続的に買う動きなども期待できそう。上記の出遅れ業種内に分類され、24カ月線をサポートに出直りの兆しが出てきた三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306、以下 三菱UFJFG)ほか、情報通信では伊藤忠テクノソリューションズ(4739)、建設では長谷工コーポレーション(1808)が面白いのではないでしょうか。
三菱UFJFGといえば、10月にマネックス証券様主催のオンラインセミナーの講師にお招き頂いた時、セミナー最後の方でお客様からのご質問にお答えした記憶が残っています。質問内容は忘れてしまいましたが、「3メガの中ですと、三菱UFJFGが一番いいです」とお答えしたような記憶が残っています。理由だけは思えています。テクニカル分析に絡むテーマを担当しておりましたので、「高値から一番下げてないから」と、お答えいたしました。株価は正直です。下げない株価には何かがあるのです。当時の私の目には一番強く見えました。「自社株買い」が材料だとは思いませんでしたが・・・
東レ(3402)がようやく実力を発揮してきました。炭素繊維が業態を変える可能性を市場が織り込み始めたのかもしれません。このコラムの過去、第282回"「3402」は「6326」のパターンか?"
(http://lounge.monex.co.jp/pro/tandcfr/2013/07/18.html)をあわせてご覧になられて下さい。クボタ(6326)の長期波動がイメージできると思います。
東野幸利
株式会社DZHフィナンシャルリサーチ
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