ドル/円はどこまで「発散」が続くのか? 9月相場は2013年5月高値を起点とする上値抵抗線(現在は下値支持線)を上方にブレークし、1ドル=110円に迫る場面がありました。一方、2002年1月高値を起点とする長期の上値抵抗線や、2006年5月安値(108.99円)は概ね重なる上値のフシ目。10月以降の短期の見通しが非常に難しい局面になってきました。

月足の一目均衡表上では、11月は雲の下限が最低値に切り下がるため、転換が生じやすい。つまり、足元の流れでいくと11月に向け一段と円安が進行する展開を想定したいところですが、短期的には2013年5月高値を起点とする下値支持線をサポートに高値もみ合いが続く可能性の方が高いのかもしれません。雲の下限が切り上がりに転じる12月頃から再び反発基調を強めることができれば、長期の上値抵抗線を突破できるのではないでしょうか。

長期の上値抵抗線を突破した場合、主要な上値のフシ目は113.70円処以外では、2007年6月高値124.14円付近までみえません。1998年8月高値147.66円~1999年11月安値101.25円までの値幅46.41円を、2011年10月安値75.35円からの上昇幅とみた121.76円処まで、意外と上値余地は大きいかもしれません。
一方、長期の上値抵抗線よりも下方の推移が続く以上、円高へのトレンド転換に対する警戒は解いてはいけません。急落直前によくみられる2013年5月高値以降の傾斜三角形を9月に少し上回ってきたため、「加速以外の上値は想定しづらい」と、少し感覚が変わってきたところです。

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東野幸利

株式会社DZHフィナンシャルリサーチ

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