日経平均は昨年来高値(16,320円)が視野に入ってきました。売買代金の増加が伴えば、上昇が加速する展開もありえるでしょう。昨年来高値の手前で考えられる上値メドは、7月高値と8月安値の中間時点からその下落幅を上げた16,262円処。高値更新後は7月高値から8月安値までの下げ幅の倍返し16,765円処が予想されます。

9/15の日経新聞の一面によると、上場企業が株主に払う配当金が9月末の中間配当(3月本決算企業)で過去最高を更新するそうです。上場企業2262社を対象とした結果、前年よりも3000億円増加し、3兆1700億円程度が見込まれると試算しています。今日の早朝に発表されたFOMCの結果に対するポジティブな反応が続けば、中間配当取りのための焦った買いが上昇加速の要因になるかもしれませんね。

工業用フェノール樹脂で国内首位級の群栄化学工業(4229)は少し横目でチェックしておく必要ありだと思います。中小型建機の需要回復で建設機械向けや、電子材料向け樹脂も高付加価値品中心に堅調に推移しているもようです。次世代3Dプリンタ関連です。2013年は高値710円まで大幅高を演じました。5/21安値333円まで調整が続きましたが、週足では「陽線はらみ足」を形成し、下値を切り上げる波動に転じられるかが焦点です。6/24高値438円まではやや距離はあることや、不発に終わる可能性もありますが、今は静かな仕込み場なのかもしれません。

株価位置で個人的に気になるのは、電炉の中堅の合同製鐵(5410)です。主力の棒鋼は土木向けに堅調。輸出環境の悪化や国内鋼材市況の回復の遅れなどは懸念要因ですが、復興需要の継続や経済政策効果の本格化により、国内の建設需要の増加が見込まれます。株価は5月安値を起点に持ち直し、順調であれば26週移動平均線は下げ止まり、上昇局面になってきます。2006年高値904円を起点に長期間低迷が続いているだけに、そろそろ月足上では目の覚めるような「大陽線」が欲しいところです。

東野幸利

株式会社DZHフィナンシャルリサーチ

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