相場は「三」という数字が好きです。「三段上げ」、「三役好転」、「三尊」など。酒田五法にも「三山」、「三川」、「三法」、「三空」、「三兵」があります。「三三九度」、「七五三」、「三本の矢」といった儀式や縁起のよいもの、「三度目の正直」、「早起きは三文の得」、「石の上にも三年」、「仏の顔も三度まで」、「二度あることは三度ある」などのことわざにも「三」がよく使われています。
「三」が好きなのは、中国からの伝来(「陰陽」の影響)と説明されています。「陰陽」の考え方は、奇数を陽として尊び、偶数を陰としてきらうとか。
「二度あることは三度ある」ということは、「四日続伸なら五日続伸まである」と先輩から聞いた覚えがあるような、ないような?
また、陽線で棒上げしたあとの調整(もみ合い)期間として、偶数期間よりも奇数期間の経過で上放れすることが多いとか?
さて、最近指摘されだしたのは、6/9高値から形成した日経平均の小さな「三」つの山(高値)です。6/9高値→6/23高値→7/4高値です。四回目の高値更新は失敗するケースが多いのです。私も長くいろんなチャートを見てきましたが、このパターンでまずイメージできるのは(したくないですが)、「三」つの山に続く急落の動き(大陰線)です。「三手新値」や「三段上げ」、「三空」に売り迎えとよく言ったものです。要するに、上昇のモメンタムが次第に小さくなる隙を狙ったかのように、ガツンと下げるパターンです。
ただ、テクニカル分析は特定の見方や指標を過信してはいけません。1つの指標を単独で使い売買するのは危険です。出現の場所や過去の節目などをみて総合的に判断しなければならないのです。
私は今回の小さな「三」つの山は、あるテクニカル指標を併用して見ると、逆の景色に見えてきます。上昇が加速するパターンにも見えるのです。もし「四つ目の山があれば五つ目の山もある」かもしれません。そうなれば、昨年末高値が視野に入ってくるでしょう。
来週、週足の一目均衡表で注目しなければいけないのは、遅行線、転換線、基準線です。遅行線が陰転した状態で横ばいできていますが、来週は当時の株価を上回ることができるか、つまり現在値が26週前の水準よりも高くなるかどうかです。当時の株価に上値を押さえられると調整が続く、というタイミングに入ってきます。
転換線の上昇と基準線の下落により、位置が逆転する可能性が高い週でもあります。基準線の下落はよくないですが、下落する可能性が高いのは来週1週間だけです。逆に、転換線は2週続けて上昇します。なので、さ来週にかけては転換線の上昇に株価が押し上げられる展開はあるかもしれません。
東野幸利
株式会社DZHフィナンシャルリサーチ
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