米6月雇用統計の結果を好感し、ダウ平均は17000ドル台に乗せてきました。短期的な終値ベースの上値メドは17200ドル前後でしょうか。その節目をこなすことができれば、18100ドル前後まで伸びる可能性が高いとみています。17000ドル達成を機に弱気派の逆張り的な主張が目立ってきました。が、それはまだ上昇が続くサインです。相場は高値圏にあっても過熱感はなく、大勢が強気になるまでは大天井は形成しないものです。
一方、短期的には米企業決算(4-6月期)に対する材料出尽くしの反応には注意。過去20日間のヒストリカル・ボラティリティ(HV)が6.6%(7/9)と、2013年8月以来の水準まで低下している点にも注意が必要です。株価下落によるボラティリティ上昇につながりかねないからです。
ダウ平均の長期ラインチャートでは、拡大波動の中心レベルが10500ドル前後です。拡大波動のうち最大値幅分(7617ドル)を10500ドルから上げた18100ドル前後が上値メドになりやすい。一度上抜けた抵抗線まで揺り戻しの調整はあると思いますが、さらに高値を抜けていくようだと、2009年安値からのE計算値19070ドル程度まで伸びる展開も考えられます。中長期的な下値メドは2007年高値14160ドル処です。
IT相場の調整後の安値から、リーマン・ショック直後の安値までがおよそ6年半。日数でいくと1614日となり、先に対等した2015年3月ごろにかけて上昇基調が続くイメージが持てます。そこで高値や安値を付けるかは現時点ではわかりませんが、それまでに大幅な調整に陥った場合は、安値をつけるタイミングにもなりえるということです。
一方、NASDAQはIT相場の調整局面から新たな波動転換が確認され、2002年安値を一時的に切り下げたダウ平均より優位性が保たれる公算が大きい。NASDAQの終値ベースの上値メドは46040P~4660Pなどが有力です。ダウ平均の18100ドル前後に対応するのが4660P前後でしょう。
東野幸利
株式会社DZHフィナンシャルリサーチ
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