日経平均株価の日柄面での注目は7/7-8。一目均衡表では雲のネジレが発生するタイミングです。前回の当該コラムで指摘いたしましたドル/円相場と同じです。
もみ合い上放れの起点になるのか? 7/7前後まで上昇力が強まるパターンなのか?ドル/円の一目均衡表では雲の下限がそろそろ切り上がる局面に入るだけに、米雇用統計の発表などで何か反応があるのかも? トヨタ自動車(7203)の株価もいったん頭打ちが意識されやすい水準まで上昇しましたので、この先の上値余地は円相場次第のような気もします。

図表は、NT倍率(日経平均株価÷TOPIX)の推移です。

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3/24の 12.45倍を起点とした低下局面なのですが、3/24といえばGPIF(年金資金管理運用独立行政法人)の運用方針の変更が市場動向を左右するようになった起点に近いタイミング。TOPIXが日経平均株価よりも優位に動いてきためであり、TOPIXなどの時価総額型の指数をベンチマークとするGPIFの運用スタンスにあわせた、他の年金などの買いが入ったことが推測できます。
一方、足元は2011年以降の下値支持線を下回り(筆者は止まると思っていました)、また面白い節目が近づいてきています。2012年6月以降の値動きでとった中心線です。ざっくり12.0倍前後でしょうか(7/2現在、12.0倍)。そこで止まるならば、これまで相対的に優位に動いてきたTOPIXに変わり、この先は日経平均株価が優位に展開し、NT倍率を押し上げる局面に入ることが予想されます。最近、日経平均株価の寄与度が大きいファーストリテイリング(9983)やソフトバンク(9984)の上値がなぜ重いかといいますと、チャート上の判断でいけば(筆者に言わせれば)、13週移動平均線が下落しているからです。しかし、その13週移動平均線も来週は下げ止まる可能性が出てきました。もし株価が上がりだしたら、出遅れ感やNT倍率低下の反動、といったカタリストが出てくるでしょう。

7月に入ったばかりなので、為替市場も動き出せば、先物先導で動きやすい日経平均株価の動きに加え、上記銘柄のような寄与度が大きい銘柄は、今週は仕込み場のような気がします。

東野幸利

株式会社DZHフィナンシャルリサーチ

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