中堅の建設株に短期資金が流入しています。復興需要、国内インフラ更新需要、そして五輪需要。建設業界は再編があまり進んでいなかっただけに、それらの特需を通じて、これから業界がどのように変化していくのでしょうか。
さて、9/18付の日本経済新聞によると、建設業の人手不足が経済活動のコストを増大させ、成長を縛る可能性があるといった記事が掲載されておりました。五輪需要をにらみ資材価格も上昇傾向にあるということです。
足元でも消費増税の駆け込み需要が指摘されています。マンションや住宅が好調です。 消費税が上がる影響で投資物件・ワンルームとかの建設契約が多かったのは事実みたいです。
ただ、無理から契約した物件は、例えば、現状、事業主と施工業者で消費税5%で契約したところで、実際に作りだすのは消費税が上がってからのケースがあります。施工業者と材料を売っている問屋メーカーとは8%で取引することになります。施工業者は建築契約時点では問屋メーカーと契約しないため、3%の差額をどこが負担するのか? ということに、流れとしてなる可能性大。中堅以下のゼネコンにとっては、将来的に厳しい局面があるかもしれません。

需給ひっ迫による建設コストの上昇以外で懸念されているのは、建築に使われるアルミサッシです。知り合いの一級建築士から聞いた話によると、現状流通生産しているメーカーのアルミサッシが全て年末頃に不適合になるとか。つまり、都市部とか防火性能を求められるサッシが全て新基準になると、コストが倍ぐらいに跳ね上がるといわれているようです。しかし、住宅メーカーは事業主に負担させることはせず、施工業者にコストコントロールさせる流れになる。住宅メーカーもきついけど、施工業者はもっと厳しいです。住宅販売の堅調が続いて一番おいしいのは、仲介者の不動産業者だけかも。
実は、建設業界の再編は国内インフラ更新需要、五輪需要などを通じて、これから起きるのかもしれません。今の建設株の株価急騰はそれを予期した動きなのでしょう。
短期資金による回転売買オンリー、と言ってしまえば、今はそれが一番説得力あるとは思いますが・・・

東野幸利

株式会社DZHフィナンシャルリサーチ

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