早めの織り込みか? セオリー通りか?米企業の第2Q決算発表が今週からスタートしました。主要企業では7月17日はゴールドマン・サックス、インテル、18日はバンクオブアメリカ、IBMなどの決算が予定されています。特にインテルの実績や今後の見通しに対する注目度は高いのではないでしょうか。足元、半導体製造のAMD(アドバンスト・マイクロ・デバイス)や半導体製造装置で世界最大手のアプライドマテリアルズなどが収益見通しを引き下げ、より慎重な見方が強まっているだけに、インテル決算が市場予想を上回る、あるいは予想通りの着地となれば、半導体関連中心にハイテク株に見直し買いを誘発する可能性はあります。
米主要指数の多くが安値を付けた2011年10月3日以降では、ラッセル2000のアウトパフオームが目立つ一方、半導体株指数(SOX指数)が米国株市場の足を引っ張る構図となっているので、半導体関連の底上げは米国株上昇の持続力を占う意味でも重要なポイントになるかもしれません。
ただ、経験則では、日米株はインテルの決算発表後に調整に転じるケースが多いのです。一概には言えませんけど、決算発表前後30日間のダウ平均の推移を四半期ごとに分けると、特に第2Q発表後は調整が深まる傾向がみてとれます。ダウ平均は年間のうちで、9月にかけてパフォーマンスが悪化する傾向が強いことなども影響しているのでしょう。
一方、発表後30日程度経過したあたりからは、再び次の決算に向けて上昇する傾向があるのも確かです。中長期で右肩上が続いているダウ平均に通用したセオリーなのかもしれませんが、売り一巡後は短期的な買い場となってきました。
米ハイテク株に影響を受けやすい日経平均もインテル決算が分岐点になるケースが多いのも当然だと考えられます。
日本株の市場は例年7月~8月は売買代金の低迷から夏枯れ相場となり、全般的にさえないことが多いのです。欧州問題や米中の景気減速懸念が優先すべき材料になっていますけど、予期せぬ悪材料には下押し注意である反面、押し目買いのチャンス見極めの局面に入ってくることになるでしょう。当面は中小型株で短期利ざや狙い、仕込みは大型株で考えるのがよいかと思います。
東野幸利
株式会社T&Cフィナンシャルリサーチ
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