6月調査の日銀短観が7月2日に発表されます。なかでも、大企業製造業の業況判断は重要です。業況判断とは、景気が良いと感じている企業の割合から景気が悪いと感じている企業の割合を引いたもの。

日経平均は業況判断に先行する傾向が強かったのですが、2002年あたりからは極端に薄れています。特に最近などは、業況判断は2009年3月のボトム「-58」から急速に改善しましたけれど、日経平均の方は全然ついていけない様子が伺えます。

株価が今後の業況判断の悪化を織り込んでいるのか?逆に株価の方が業況判断に急速にキャッチアップしてくるのか?

実は、2002年~2005年にかけても今と似た状況がありました。業況判断の改善とともに株価は大きな反応を示さず、再び改善の兆しがでたところから株価は二段上げ目に突入、といった経緯がありました。

ドル/円に関しても、業況判断の横停滞が円安の本格的な反転を遅らせているといった見方があります。業況が改善しないと海外投資(円売りドル買い)が進まないといった理屈です。そういった意味でも業況判断の改善は、今後非常に重要です。大企業製造業の業況判断は、今回も「-4」と3月から横ばいが見込まれています。今回に限ってではないですが、サプライズがでれば、株高、円安の要因になるかもしれません。

一方、非製造業の業況判断は、2011年9月以降改善がゆっくりと進んでいます。3月の「+5」に対して今回は「+7」が見込まれています。金融株が強いのはこの背景を織り込んでいるのかもしれません。

もう一つ、同時に発表される大企業製造業の想定為替レート。6月前半に発表された5月の米雇用統計を受けてドルに対して円高が進んだ局面がありました。政府から口先介入が入ったのは、想定為替レート78.14円処です。なので、今回発表の想定為替レートも一つのサポート水準になるかもしれませんね。

豊田合成(7282)が地味に高値を更新してきました。自動車部品事業改善、LEDも新型タブレットPC向けに好調を維持。株価は2009年高値から調整が長引きましたが、今年1月の月足十字足から見事に反転となりました。良品計画(7453)にも注目です。今日の新聞からの観測記事では、「無印良品」における衣料・雑貨などが好調で3-5月期は増収増益。株価は2011年安値から上昇基調が続き、4,400円~4,450円の上値の壁突破できれば、中長期で6,000円なども視野に入ってくるとみています。

東野幸利

株式会社T&Cフィナンシャルリサーチ

-----------------------------------
「トレーダーズ・プレミアム」は、個人投資家の心強い味方です!!

http://www.traders.co.jp/service/goods/premium.asp

-----------------------------------