今週月曜日6月4日にTOPIXはバブル後の安値を更新。日経平均は2011年12月中旬以来の8,300円割れとなり、底割れも冗談ではなくなってきた雰囲気です。1949年の東証再開以来、日経平均は辰年6月(5回)のローソク足はすべて陽線(終値が始値よりも高い)で切り抜けてきました。そんなアノマリーに頼るしかないのでしょうか。

景気減速懸念がまだ強いため、業種での選別は避けた方がよいのではないかと個人的には思います。公共や食品、薬品といったディフェンシブセクターへの回避というのは別ですけど、商社や建機、海運、輸送用機器、電気機器などで分けるのはあまり意味がないように思います。あくまでも、年末に向けては、業種(森)を見ずに個別(木)で見た投資判断が重要ではないかと思っています。

ただ、全体相場の反発が続けば、大部分の個別株は同じように反応するでしょう。そうなると最初は質にこだわり、トヨタ自動車(7203)、三井住友FG(8316)などの大型株の超リバウンド狙いでしょうか。

トヨタを日柄でみると、2007年2月高値以降、概ね36ヶ月(3年)周期で安値・高値を付けています。リーマンショック後の最初の高値となった2009年8月と2010年1月からその周期を当てはめると、2012年7月、2012年12月になります。

2012年7月に底打ちしたあと、12月に向けて戻りを試すのか。7月に戻り高値をつけて、12月に向けて二番底・底割れしたあとの安値になるのか。仮に、6月陽線となり7月に戻り高値を付けるのであれば、この先、短期的は大丈夫ということになりますが・・・

全体相場の反発が一巡したあとは、買い持ちを維持するのはやはり内需株だと思います。いつか、ご紹介したように輸出株の上げは当面限定的に止まる可能性が高いとみています。内需株は、外需をこれから取り込む余地のある企業が有望です。中国などの巨大消費国の中で商売できる企業。ただ、なかでもインフラ関連や耐久消費財関連は株価的には調整が続くと思われます。

以下の表は、2012年5月末現在、東証一部全銘柄を月足チャートで見渡し、私なりに上昇基調が維持している、数年来の安値まで下げたと思われる銘柄をまとめたものです。中長期的に上昇基調にありながらも、短期的に調整している銘柄などが中心。2012年8月上旬まで調整が続く銘柄もあると思いますが、参考にしてください。売買のタイミングはお任せいたします。

表の見方は、日足の75日線(直近75日間の終値の平均)からの乖離率を使い、昇順で並べています。マイナス乖離率が大きいのはリバウンド妙味、プラス乖離率は順張り妙味。ただ、プラス乖離率で大きいものは、目先的にはリスクが相対的に高いと考えてください。

東野幸利

株式会社T&Cフィナンシャルリサーチ