米フェイスブック(FB)株。人気の割に下げ止まらないのが気になります。上場日から8営業日が過ぎ、公開価格から25%下落(2012年5月30日時点)。上場直前に売出株数の増加や公開価格を引き上げ、強気スタンスをアピールしたものの、米国史上2番目の公開規模となる160億ドルもの資金を市場は簡単には吸収できなかったようです。ちなみに、米国歴代トップの資金調達金額は、2008年3月に上場したビザの178億ドルです。

インターネット上の広告収入をビジネスモデルとする企業の株価売上高倍率(時価総額÷年間の売上高)を参考にすれば、フェイスブック株は32.47ドル程度が妥当との見方もあるそう。ただ、上場直後はどちらかというと需給面の方に左右されやすいのです。

では、ここから反発に転じるタイミングは近いのか、まだ先なのか? SNS関連で直近上場した、ジンガ、グルーポン、リンクトイン、ヤンデックス、イエルプ、サウファン・ホールディングスの6社の公開価格を100として、上場日から30営業日の動きを平均すると、初日こそ大きく上昇するものの、次第に利益確定売りに押される傾向が強い。米国市場に限らず、日本でもよくある動きです。

しかし、上場から16営業日あたりから売りが一巡するというか、買われだす傾向がうかがえます。もちろん、フェイスブック株が同じようになるとは限りませんが、これだけ大きいだけに何かの目安になるかもしれません。一目均衡表の基本数値「17」ではないですが、群集心理的に何か意味があるのかもしれませんね。上場日5月18日から16営業日後は6月11日。東京市場は6月8日のメジャーSQ通過後となります。

さて、日本株、ボトム圏を示唆する指標が多い中、さらに突っ込む局面はリバウンド狙いの買いがやっぱり有効だと思います。この先、輸出関連の超リバウンド狙いか、ソフトバンク(9984)や岩谷産業(8088)などのように、高値から調整が比較的浅く25日線を上回っている銘柄、の両極端どちらかで。

環境試験器を手掛けるエスペック(6859)に注目しています。電池関連やスマートフォン関連などを中心に研究開発用途の恒温恒湿器の受注が堅調。株価は25日線を上回っています。2012年4月に799円の高値をつけたあとは調整しましたが、再びその高値が視野に。

PERやPBRにも割安感あり。信用の買い残や売り残も手アカがついてないことで、全体需給悪の地合いの中では優等生。2010年4月高値888円を上回れば1,000円に節目。中長期的には1,400円前後まではあると私はみています。

東野幸利

株式会社T&Cフィナンシャルリサーチ