「自社株買い」。例年、取得枠設定の発表が多くなるのは、2月、5月、8月、11月です。3月本決算の場合、9月の中間決算が終わり年間の業績が見えだす11月は特に多くなります。その次に多いのは5月。昨年後半から足元、日本株は上昇基調に乗っています。銘柄によっては株価へのインパクトが思った以上に強く出るものもあるでしょう。全体相場のモヤモヤ感が続けばなおさらでしょうね。

自社株買いは、市場で流通する株式数が減るため、一株あたりの利益や配当などが増える観点から株価は上昇しやすい。増配と同様に株主還元策の1つだからです。「自社株が割安な水準にある」ことを示すアナウンス効果もあります。

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自社株買いの発表で株価が動意付くケースはよくありますが、言わずもがな、それだけを買いの判断材料にするのは危険です。例えば、株価を一株あたりの純資産で割ったPBR(株価純資産倍率)が1倍を割り込んでいる、PER(株価収益率)が低いかどうかなど、別の尺度でも買い判断ができるものでなければいけません。そうでなければ、発表直後の一時的な上昇にとどまり、高値掴みの可能性の方が高いでしょう。

例えば、会社側としては、株価がPBR1倍割れのときに市場で自社株買いをすれば、純資産よりも安い分現金支出が小さくなり、株主価値を向上させることが出来ます。しかし、PBR が1倍を上回る株価の場合、市場で付いているプレミアム分の現金支出が生じるため、株主資本が毀損することになり、逆効果になることがあります。 

PBRが1倍割れの企業をターゲットと考えるのがよいでしょう。ただ、自社株買いをする企業をあらかじめ予測することは困難です。株主還元の手段として定着しているなど、過去に実績がある企業からつかむしかない。

2010年4月~2012年3月までに自社株取得枠を少なくとも2回以上設定した、東証一部上場で大型株以外のPER1倍割れ企業をピックアップ。さらに絞りこみましたが、あくまでもご参考程度に。菱洋エレクトロ(8068)、太平電業(1968)、稲葉製作所(3421)、応用地質(9755)、リズム時計工業(7769)、DCMホールディングス(3050)、Olympic(8289)、ドトール・日レスホールディングス(3087)、パイオラックス(5988)、アミューズ(4301)、電気興業(6706)、CIJ(4826)、アネスト岩田(6381)、西松屋チェーン(7545)。

東野幸利

株式会社T&Cフィナンシャルリサーチ

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