新年恒例の宮中行事「歌会始の儀」が今日の午前、皇居・宮殿「松の間」で行われたそうです。今年のお題は「岸」。昨年、上昇基調を強めた、海洋土木の五洋建設(1893)は「岸」の雰囲気が指摘された局面がありました。
同時に、来年の歌会始のお題が「立(りつ)」と発表されました。取り急ぎ、「立」が入った上場銘柄を並べると、共立マテリアル(1702)、CDS(旧・中央立体図)(2169)、三協・立山ホールディングス(3432)、日立化成工業(4217)、ニチゾウテック(旧・日立造船非破壊検査)(4654)、日立ビジネスソリューション(4738)、日立金属(5486)、日立電線(5812)、日立ツール(5963)、協立エアテック(5997)、やまびこ(旧・共立)(6250)、日立建機(6305)、日立製作所(6501)、日立工機(6581)、オムロン(旧・立石電機)(6645)、エルピーダメモリ(旧・NEC日立メモリ)(6665)、アンリツ(旧・安立電気)(6754)、日立国際電気(6756)、協立電機(6874)、日立メディコ(6910)、日立造船(7004)、共立印刷(7838)、立川ブラインド工業(7989)、日立ハイテクノロジーズ(8036)、立花エレテック(8159)、大垣共立銀行(8361)、日立キャピタル(8586)、日立物流(9086)、共立メンテナンス(9616)、日立機材(9922)、などがあります。
さて、日経平均は一目均衡表の抵抗帯(雲)を下回っていますが、東証一部全銘柄(ネクソンを除く、1673銘柄)を見渡すと、雲上銘柄が優勢となっています。抵抗帯(雲)を下から上に抜け出すことを好転といって、「三役好転」の中でも重要な強気シグナルとなります。
東証一部に上場する銘柄全てを、雲に対して上、下、中のどの位置にあるかを調べますと、1月11日現在、雲上で推移している銘柄が757銘柄(全体の45.2%)と最も多い。ちなみに雲中で推移する銘柄は368銘柄、雲下で推移する銘柄は548銘柄。コア30に絞りますと雲上銘柄は30%(30銘柄のうち10銘柄)程度に下がりますが。
ただ、11日はTOPIXが1.5P高、日経平均は25円高とほとんど上昇していませんが、雲上で推移する銘柄が10日の733銘柄から757銘柄に増加し、雲中で推移する銘柄が391銘柄から23銘柄が雲上にランクアップし、368銘柄に減少しています。指数だけをみると上値は重いですが、特定の節目を上回ってきた銘柄が次第に多くなってきている状況です。
個別株の局地戦が続いています。ただ、東証一部の売買単価(売買代金÷出来高)は11日現在で524円まで低下。2003年4月~6月当時に低位株の底上げが始まった水準や、直近でもリーマン・ショック以降のレンジ(概ね800円~500円前後)下限あたりまで低下してきているので、今後注意する点は売買単価の上昇を見越し、低位株から中位株にシフトしていくことを想定したいです。
例えば最近、通信セクターを採り上げる証券会社(アナリスト)が増加しています。内需株が上昇してきたせいでしょう、順張り推奨ですね。
通信インフラの設備構築では、ミライトHD(1417)やコムシスHD(1721)でしょうか。ミライトHDは下半期に通信事業者の設備投資の回復および東日本大震災からの復興工事が順調を見込み、特に発注が遅れていたモバイル事業の大幅な受注回復がポイントだと会社資料に書いてありました。
そのあたりは、LTEの導入・拡大に対応、プラチナバンド900MHz新周波数の割り当てに伴う増強対策対応、WiMAX地下鉄駅間工事への参入、データセンタ建設・保守・運用の受注など仕事は多そうです。
また、通信向けシステム保守サービスでは、NECフィールディング(2322)のほか、伊藤忠テクノソリューションズ(4739)など。通信向けソフト開発では、アルファシステムズ(4719)が底値から立ち直る兆し。どこまで戻すかはわかりませんが。
そのほかでは、OLC(4661)が昨年3月急落前に付けた昨年来高値8320円に対して、昨年9月以降、3度目のトライになりそうです。高値圏のもち合いが煮詰まってきているので、昨年来高値更新に期待できる局面だと思います。
また、月足チャートの値動きが綺麗だな~と思っていた東鉄工業(1835)。最近、JR山手線の新駅構想といった材料が出現。株価が強かった要因は、これだったのか~と思わず。鉄道復旧事業もありますが、首都圏やJR東日本管内を中心に新幹線や在来線の線路メンテナンス工事などもやっているそう。また、今後数年間かけてホーム転落防止柵の設置を手掛けるとのこと。株価は大半の銘柄が安値となった2003年ではなく、2000年に底入れしたのがポイント。他の銘柄とは違う点は、将来のある時期に「ピカイチ」と光る銘柄になりえる、といった点で重要なのです。700円台後半が正念場の水準ですが、中長期で1000円の台替わりが期待できるのではないでしょうか。
東野幸利
株式会社T&Cフィナンシャルリサーチ
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