さて、大納会の終値は12月の月間の終値に加えて、年間の終値、年間の騰落率が確定するという意味では重要。ローソク足の年足が陰線か、陽線かが注目されます。
日経平均の1990年以降の年間実績をみると、3年下げて上昇するパターンがみられます。直近では2年下げて3年目の2009年は上昇、そして2010年下げて、今年も26日現在の株価でみると、17.1%程度下げています。3年下げが続くとなると、2012年もあまりよくない年なのかもしれませんが、2007年以降をまとめてみると、そろそろ値ごろ感で上昇してもおかしくはない、といった見方ができます。仮に、2012年は低迷が続いても、その先
は明るいといった見方もできると思います。
(※)グラフは株式会社T&Cフィナンシャルリサーチ作成 画像をクリックすると拡大版をPDFファイルにてダウンロードすることができます。
また、1990年以降でみると、大発会以降3日間(2012年は1月4日~6日)と年間の騰落の方向が同じ確率は62%と低くありません。2012年の干支は過去の年間通じてのパフォーマンスが最も良好な「辰年」になりますので、市場関係者にとっては大発会の方が注目度の方が高いのかもしれません。
もう一つ、「大納会までの3日間と大発会からの3日間は比例する法則」があります。
大納会までの3日間がプラスなら大発会からの3日間はプラス、マイナスならマイナスになりやすい。2000年から(過去11回)みても、法則崩れは2回だけでした。
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では、もう少し広げて、大納会・大発会前後の株価はどうか? 日経平均の12月~1月にかけての動きを、直近25年平均、10年平均、5年平均でみると、年末・年始にかけて上昇しやすい特徴があります。特に、5年平均の盛り上がりが大きくなっており、直近ではそういった傾向が強いことがいえると思います。
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要因としては、やはり「掉尾の一振」の反動が出やすいとか、過去のパターンでいくと、海外の大手年金は1月第1週~第2週で国別配分の観点から日本株への配分を決め、早いところでは第1週から売買が始まる傾向があります。その買いが集中するためか、2010年は1月15日、2011年は1月13日にいったん高値を付けています。
2012年は欧州情勢で海外投資家の懐がかなり厳しくなっている中、海外株市場の上昇で余裕があれば、同じように買いが入って、1月中旬あたりで高値を付けにいくパターンになるかもしれません。ただ、2011年は17%程度下げていることで上昇しても過熱度合いが直近過去とは異なることや、「掉尾の一振」もありませんでしたので、2月にかけて上昇基調が続く可能性もあります。
今年は1年間ありがとうございました。
東野幸利
株式会社T&Cフィナンシャルリサーチ