今から10年あまり前、当時のマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社は、スーパー定期預金や大口定期預金の2倍以上の利子の付く短期債券を発行し、私たちがお客さまに販売しました。当時の銀行預金金利は、日銀の政策金利より低く、即ち銀行は預金で借りたお金を日銀に預けるだけで儲かるという状況で、私としてはそんな馬鹿な話はなかろうと考え、どうせお金を借りるなら銀行からではなくお客さまから借りた方が、世の中で手に入らない利回りの良い預金・債券型資産運用をお客さまに提供出来ると考え、実施したのでした。当時は、当社のような社歴と規模の会社が個人等向けに債券を発行するのは珍しいことでしたが、このコンセプトは大変良好に受け容れられました。
時は流れて現代、マネックスグループ株式会社の保証付きであるマネックスファイナンス株式会社の短期債は、スーパー定期や大口預金の約20倍の利子が付いて発行されます。これは預金金利が0.01%と限りなく0に近いからですが、余裕資金の運用先選択肢として、一考いただけるものだと思います。「こんなホットな相場で余裕資金なんてない!」と仰る方もいらっしゃるでしょう。しかしポートフォリオ理論的には、少額でも現金、或いは債券は持つべきで、短期債であればデュレーション(満期)的には現金に近くなり、まぁ少しはポートフォリオに組み入れるのも十分ありだと思います。
債券投資、債券トレーディングは、私にとっては本来のホームグラウンドで、債券と名の付くもの、或いは債券的性格のものであれば、国内外、ありとあらゆるものの値付けをしたり売買したものですが、今となっては随分昔の話になってしまいました。債券畑(ばた)にいたのが12年間。マネックスがもう既に19年になろうとしています。これから暫くは株の時代だと思いますが、その先を見越して、債券型の資産運用選択肢の提供も、もっともっと強くしていきたいと考えています。
因みに、マネックスファイナンス債は、個人のみならず、法人も購入可能です。